30年近く続けた社畜人生が、たった一言で終わるとは思ってもみなかった。
「東山さん、会社はあなたを必要とは思っていません」
目の前に座るぼくより年上の男は言い放った。知らない仲ではないのに眼鏡の下の表情は一つも変わらない。
ぼくの頭の中で、いろいろな思いがぐるぐると回った――。
メディア企業に勤める東山一悟氏は、50歳で突然、早期退職の対象になったことを宣告されました。遅くに生まれた娘はまだ小学生で、2年前に3000万円のマンションを30年ローンで購入したばかり。
しかし、慌てることはありませんでした。なぜなら、40歳から始めた投資で、7000万円の資産を保有していたからです。以後も投資を続け、現在「2億り人」になった東山氏は、「投資するなら『長期の株式投資』がいい」と言います。
本稿は、東山一悟氏の『投資で2億稼いだ社畜のぼくが15歳の娘に伝えたい29の真実』より一部抜粋・編集のうえ、お届けします。
■「投資」と「投機」は違う
さて、一口に投資といってもいろいろなものがある。
一番の王道は株式投資。そのほか、債券、不動産、石油、貴金属、最近ではFX、暗号資産なども流行している。変わったところではウイスキーやワインなどのお酒、美術品なども。
いったい何に投資をして良いのかわからなくなるかもしれない。
しかし投資のマニア、セミプロになるのならともかく、普通の人が普通に生活をするためには株式投資をメインにすることが最適といえる。
そもそも投資とは、どういう意味だろう。
それは資本を投じるという意味だ。
つまり、将来の利益を得るために資金を投下するということ。自己投資というのは自分の将来の利益を得るために自分にお金を払って勉強する。株式投資、不動産投資など、基本的には資金を投下することで、投資先が成長してその果実を得るものと思えばいい。
似た言葉で投機がある。
投機の機は、機会、チャンスという意味だ。短時間で大幅な利益のチャンスがあった場合にお金を出すということ。日本だと金融庁が長期投資を打ち出していることもあり、投機というとギャンブル、一攫千金というイメージがついている。