令和7年度の税制改正について、国会で議論が交わされています。そのなかで、ガソリン税が安くなることが明記されました。どうしてガソリン税が安くなるのか、どのくらい安くなるのか、いつから実施されるのかなど、今回は、ガソリン税に関わる税制改正について詳しく解説します。
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ガソリン税暫定税率って何? どうして安くなるの?
まずは、現在のガソリン税について確認していきます。2025年2月18日現在、ガソリン税は1リットル当たり53.8円が課されていますが、このうち25.1円分は本来の課税額に上乗せされているものです。
この税率の上乗せは、1974年に財源不足などに伴い始まりました。当時、上乗せは暫定措置とされていましたが、道路財源の確保や温暖化対策などを理由に、ここ50年間継続されていました。
しかし、2024年の選挙により議席を増やした国民民主党による強い意見を中心に、令和7年度の税制改正では、ガソリン税の暫定税率である上乗せ分25.1円を撤廃することが決定しました。
ガソリン税の改正は、2024年12月11日に自由民主党、公明党、国民民主党の幹事長間で合意され、与党の令和7年度税制改正大綱には、「いわゆる『ガソリンの暫定税率』は廃止する」と明記されています。
どのくらい安くなる? いつから実施予定?
では、具体的に、ガソリン代がどのくらい安くなるのかシミュレーションしてみましょう。減税が実施されると、1リットル当たり53.8円の税金が、1リットル当たり28.7円となります。
例えば、40リットルを満タン給油する場合、減税後は今までに比べて1004円安くなります。
<ガソリン税(40リットルを満タン給油)>
現在 :2152円
減税後:1148円
減税額:1004円
物価高の影響により、ここ1年でガソリン代も値上がりしています。地域にもよりますが、2024年末時点でガソリン代はレギュラー175~180円前後となっています。
また、2024年末までは政府がガソリン代を補助する政策が行われていましたが、2025年からは規模が段階的に縮小されることとなっています。
今後、ガソリン税が安くなることによって、家計におけるガソリン代の負担軽減につながることが期待されています。
なお、ガソリン税がいつから安くなるのかなど詳細な検討は、2025年年初でも議論が継続中です。先ほどご紹介した与党の令和7年度税制改正大綱では、「具体的な実施方法等については、引き続き関係者間で誠実に協議を進める」と記載されています。
まとめ
ここ最近、日本では物価高が続き、ガソリン代も値上がりしています。普段から車を多用している家庭では、ガソリン税が減るというのは気になるニュースではないでしょうか。引き続き、具体的な実施時期などに注目していきましょう。
出典
自由民主党、公明党 令和7年度税制改正大綱
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
ファイナンシャルフィールド編集部