東郷証券の損失補填認める 東京地裁、元巨人選手


 外国為替証拠金取引(FX)で生じた顧客の損失を補填したなどとして、金融商品取引法違反と法人税法違反の罪に問われた東郷証券(東京)の元取締役、林泰宏被告(58)は7日、東京地裁(野原俊郎裁判官)の初公判で「間違いありません」と起訴内容を認めた。林被告はドラフト1位で昭和55年に巨人に入団した元プロ野球選手。元顧問、上村昌也被告(37)も起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述で「顧客にリスクを十分説明せずに経済合理性に乏しい取引をさせ、急激に業績を伸ばした」と指摘。多額の損失が出た顧客から苦情を受け、不適切な営業方法が露呈するのを恐れて損失補填を繰り返したと述べた。

 起訴状によると、実質的に経営していた大阪市の商品先物取引会社「さくらインベスト」で架空の外注費を計上し、平成23年10月~28年9月、法人税計約2億900万円を免れた。さらに28年7月~31年1月には、東郷証券の顧客8人の損失計約6900万円を穴埋めしたとされる。

 事件を受けて関東財務局は、東郷証券の金融商品取引業の登録を取り消す行政処分をした。



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