疎遠だった実家からの相続と介護問題…50代女性が直面した「長男教」の壁とその解決策

突然、疎遠だった実家から連絡が入り、家の相続と親の介護問題に直面した経験はありませんか?この記事では、50代女性の亜矢子さんを通して、多くの人が抱えるこの難しい問題について、相続問題に詳しい弁護士の視点も交えながら、解決策を探っていきます。

突然の連絡と押し付けられる介護の負担

大学進学を機に上京し、長年地元の家族と疎遠になっていた亜矢子さん(50歳会社員)。最近、高齢の両親から頻繁に連絡が来るようになり、実家の相続と介護について相談を持ちかけられました。地元に残る弟や親戚一同は「家は長男が継ぐもの」という古い考えを持っており、相続は弟、介護は長女である亜矢子さんという暗黙の了解がある様子。特に母親は「長男教」の傾向が強く、亜矢子さんへの負担を当然視していることに、彼女は大きな不安と戸惑いを覚えました。

4000万円の遺産と押し付けられる介護…どうすれば?

実家の財産は、築30年の家と土地(評価額600万円)に加え、預貯金などの金融資産が4000万円ほど。亜矢子さんは家を守るつもりも、地元に戻って介護をするつもりもありません。しかし、長年疎遠だった家族との関係を完全に断ち切るのもためらわれます。「弟が全ての財産を相続する」という状況に納得できない亜矢子さん。一体どうすれば良いのでしょうか?

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弁護士からのアドバイス:相続と介護は別問題

相続問題に詳しい弁護士、板橋晃平氏(仮名)は、「相続と介護は全く別の問題です」と強調します。「長男が家を継ぎ、長女が介護をする」という慣習的な考え方は法的根拠がなく、介護の義務は、扶養義務のある親族全員にあります。弟が「自分が親の面倒を見るから、財産も全部自分が相続する」と言っても、法的には認められません。

相続においては、法定相続分が定められており、亜矢子さんにも相続権があります。遺産分割協議で、自分の相続分を主張することは可能です。また、介護をした場合は、寄与分として相続分を増やすこともできます。

介護の有無と相続:不利になることはない

亜矢子さんのように、介護をしなかったとしても、相続において不利になることはありません。ただし、他の相続人が介護の寄与分を主張した場合、その分だけ相続分が減る可能性はあります。

具体的な解決策:専門家への相談が重要

板橋弁護士は、「まずは専門家である弁護士に相談することをお勧めします」とアドバイスします。弁護士に相談することで、自分の権利や選択肢を明確に理解し、適切な対応を取ることができます。また、家族との話し合いにおいても、弁護士が間に入ることで、感情的な対立を避け、冷静な話し合いを進めることができます。

自分の権利を守り、納得のいく解決を

長年疎遠だった家族との関係、介護と相続の問題は、誰にとっても難しい問題です。しかし、自分の権利を理解し、専門家のサポートを受けながら、冷静に解決策を探っていくことが大切です。亜矢子さんのように、悩んでいる方は、一人で抱え込まず、まずは専門家に相談してみましょう。