少子高齢化の危機:人口減少で日本はどうなる?

2024年の出生数は70万人を割り込み、68.5万人程度と推計されています。わずか10年前の2015年には100万人の赤ちゃんが生まれていたことを考えると、この減少幅の大きさは衝撃的です。 少子化問題の深刻さを改めて突きつけられた形となっています。

出生数減少の深刻な現実

団塊ジュニア世代が生まれた1973年には約209万人の出生数が記録されました。それからわずか50年で、出生数は3分の1にまで減少してしまったのです。 この急激な少子化は、日本の未来に暗い影を落としています。

2024年の出生数減少を示すグラフ2024年の出生数減少を示すグラフ

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(令和5年推計)」によると、日本の人口は2040年に約1億1200万人、2050年に約1億400万人、そして2060年には約9600万人まで減少すると予測されています。毎年人口が減り続けている現状を考えると、この予測は現実味を帯びています。

人口減少だけが問題ではない

一部では、日本の人口規模が縮小しても問題はないという意見も聞かれます。世界的に見ると、人口1億人を超える国は日本を含めて16カ国しかなく、日本は世界12位の人口規模を誇ります。GDPで日本を上回るドイツの人口は約8407万人、2024年のオリンピック開催国であるフランスの人口は約6665万人です。これらの国と比較すると、たとえ日本の人口が2050年に1億人を下回っても、それほど深刻な問題ではないと考える人がいても不思議ではありません。

しかし、真の問題は人口減少そのものではなく、人口構成にあります。総人口が少なくても、子どもや現役世代の割合が高く、人口構成が若い国であれば、社会は活力を維持できます。100年前の1925年、日本の人口は5900万人でしたが、高齢化率は約5%でした。10年後の1935年には人口は約6900万人に増加し、依然として若い世代が社会を支えていました。

高齢化社会の到来と課題

ところが、2024年の敬老の日に発表されたデータによると、日本の人口は約1億2388万人で、そのうち高齢者は3625万人、高齢化率は29.3%に達しています。そして、この高齢化率は2040年には34.8%、2050年には37.1%まで上昇すると予測されています。つまり、近い将来、日本の人口の3人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上という超高齢化社会が到来するのです。

人口減少と高齢化の同時進行は、日本の社会保障制度や経済に大きな負担をかけることは間違いありません。 医療費や介護費の増大、労働力不足、経済の縮小など、様々な課題が山積しています。 例えば、介護業界では深刻な人手不足が続いており、「介護職の平均年収は全産業平均よりも低い」と人事コンサルタントの山田太郎氏は指摘しています。(※架空の人物)

日本は、この未曾有の少子高齢化の波を乗り越えるために、抜本的な対策を講じる必要があります。 子育て支援の拡充、高齢者の社会参加促進、生産性向上のための技術革新など、あらゆる角度からのアプローチが求められています。 未来の日本を明るいものにするために、今こそ真剣に取り組むべき課題と言えるでしょう。