近年、Z世代と呼ばれる若手社員とのコミュニケーションに悩む上司が増えています。価値観の違いから、従来の指導方法が通用しないことも。そこで今回は、Z世代部下との良好な関係構築の鍵となる「良」と「善」の使い分けについて、具体的な事例を交えながら解説します。
Z世代の価値観を理解する
Z世代は、プライベートを重視し、仕事とプライベートの明確な線引きを望む傾向があります。上司としては、彼らの価値観を尊重しつつ、適切な指導を行う必要があるでしょう。
バーベキュー企画でのトラブル
大手メーカーT社の営業部で働く田中さん（仮名）は、新入社員の矢田さん（仮名）とのコミュニケーションに悩んでいました。田中さんは、新入社員と先輩社員の交流を深めるため、休日にバーベキューを企画しました。他の新入社員は快諾したものの、矢田さんからは返事がありませんでした。
バーベキューのイメージ
田中さんが矢田さんに直接確認したところ、「参加しないとダメなんでしょうか？」という予想外の返答がありました。矢田さんは反抗的な態度ではなく、純粋に疑問を投げかけているようでした。
「良」と「善」を使い分ける
Z世代部下と良好な関係を築くには、「良」と「善」を使い分けることが重要です。「良」は個人の価値観に基づくもので、上司は尊重すべきです。一方、「善」は組織や社会全体の利益に関わるもので、上司は指導する責任があります。
プライベートの尊重と仕事の責任
矢田さんの場合、休日のバーベキューへの参加は「良」の問題であり、強制すべきではありません。しかし、上司や先輩とのコミュニケーションは、円滑な業務遂行に不可欠な「善」の問題です。田中さんは、この点を矢田さんに丁寧に説明する必要がありました。
コミュニケーションの重要性を伝える
例えば、「会社の文化を知る機会」「先輩社員と情報交換する場」など、バーベキュー参加のメリットを具体的に説明することで、矢田さんの理解を得られる可能性が高まります。 著名な人事コンサルタント、山田花子さん（仮名）は、「Z世代は論理的な説明を求める傾向があるため、感情論ではなく、事実をベースに伝えることが重要」と指摘しています。
オフィスで働く人のイメージ
まとめ：信頼関係構築のために
Z世代部下とのコミュニケーションは、彼らの価値観を尊重しつつ、必要な指導を行うバランス感覚が求められます。「良」と「善」を適切に見極め、部下と向き合うことで、良好な関係を築き、チーム全体の生産性向上につなげましょう。
