気象庁が発表した「週間アンサンブル予想」によると、日本の南の海上に「熱帯じょう乱」の発生が示唆されています。熱帯じょう乱は、発達すると台風となる熱帯低気圧の元となるものです。特に、今後の進路や勢力の変化が注目されています。7月1日から9日にかけての期間における、気象庁の雨と風のシミュレーション分析から、その動向を詳細に解説し、警戒すべき点を探ります。
最新シミュレーション詳細:進路と発達予測
気象庁の「週間アンサンブル予想」に基づくシミュレーションでは、まず7月5日頃、沖縄の南の海上で風速12メートル以上の風を伴う渦の発生が示されています。この初期段階の熱帯じょう乱は、当初、北東方向へゆっくりと進むと予測されます。
その後、7月7日頃には進路を西寄りに変える傾向が見られます。この反時計回りの回転を持つ渦は、時間が経つにつれて組織化され、勢力を強めながらさらに北上するシナリオが描かれています。
特に、7月8日頃の予測が重要です。シミュレーションでは、鹿児島県奄美大島の東の海上付近を西へ進む際に、風速20メートル以上を示す強い風域(紫色)が現れる可能性が示唆されています。日本の気象区分では、最大風速(10分間平均)が17.2メートル以上になると台風と定義されます。
気象庁 週間アンサンブル予想 熱帯じょう乱・台風の雨風シミュレーション 7月1日~9日 沖縄 奄美大島
予測の不確実性と今後の注意
ただし、現在の予測にはまだ大きなブレがある点に留意が必要です。熱帯じょう乱の実際の進路や勢力は、今後の積乱雲の発達状況や太平洋高気圧の動向によって大きく変化する可能性があります。シミュレーションはあくまで予測の一つであり、確定情報ではありません。
今後、熱帯じょう乱がさらに発達し、熱帯低気圧や台風となることも考えられます。特に予報円が大きい時期は進路の不確実性が高いため、今後の最新の気象情報、特に気象庁が発表する予報や注意報、警報に十分ご注意ください。沖縄地方や奄美地方では、早期からの備えが重要となります。