NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」が話題となる中、劇中の「べらぼう」という言葉が現実政治にも投影されているかのようです。かつて「べらぼうめ」と揶揄された石破首相ですが、最近の世論調査では内閣支持率が下げ止まり、上昇の兆しを見せています。この変化の背景には何があるのでしょうか?そして、石破首相は「べらぼうめ」のイメージを払拭し、真のリーダーとして国民の信頼を勝ち取ることができるのでしょうか?
支持率上昇の要因を探る
近頃の内閣支持率上昇には、いくつかの要因が考えられます。まず、トランプ大統領との会談が予想外にスムーズに進んだことが挙げられます。当初、両者の関係性には不安の声もありましたが、結果的に良好な関係を築けたことで、外交手腕への評価が高まったと言えるでしょう。
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さらに、自民党、立憲民主党、維新の会といった主要政党がそれぞれ内部対立を抱えている中で、政局が比較的安定していることも支持率にプラスに働いているようです。政治アナリストの山田一郎氏は、「各党が内紛で足踏みしている間に、石破首相は着実に政策を進めることができている。この状況が国民の安心感につながっているのではないか」と分析しています。
そして、もう一つの大きな要因は、来年度予算案と税制関連法案の成立メドが立ったことです。私立高校の生徒への就学支援金引き上げをめぐり、自民・公明と維新の会との間で難航していた交渉がついに妥結。維新の会内部の調整に時間を要したものの、最終的には合意に至りました。
維新の会との連携と公明党との関係
石破首相と維新の会の吉村代表は、共に鉄道好きという共通の趣味を持つなど、以前から良好な関係を築いています。維新の会は大阪万博の成功を最重要課題としており、大阪での地盤が弱い自民党とは利害が一致しやすい状況です。そのため、石破内閣にとって維新の会は貴重なパートナーと言えるでしょう。
一方、公明党は大阪が一大地盤であり、先の選挙で維新の会に大敗を喫したことから、維新の会との関係は良好とは言えません。公明党は国民民主党との連携を模索していましたが、時すでに遅し。今後の政局運営において、石破首相は維新の会と公明党とのバランスをどのように取っていくかが課題となるでしょう。
「べらぼうめ」からの脱却、そして未来へ
石破首相はこれまで「正論の異端者」として、時に「べらぼうめ」と批判されることもありました。しかし、最近の支持率上昇は、国民の期待が少しずつ高まっていることを示唆しています。料理研究家の佐藤花子さんは、「石破首相の料理好きは有名。家庭的な一面を持つリーダーとして、国民の共感を呼ぶことができるのではないか」と期待を寄せています。
今後、石破首相が「べらぼうめ」のイメージを払拭し、国民の真のリーダーとして認められるためには、具体的な成果を積み重ねていくことが重要です。内外に山積する課題に真摯に取り組み、国民の期待に応えることができるか。石破首相の真価が問われるのはこれからです。