日本維新の会の藤田文武共同代表(44)が、自身の公設第一秘書が代表を務める会社への多額の公金支出に関して、「公金環流疑惑」の渦中にあります。この疑惑は、日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」日曜版(11月2日号)で報じられ、藤田氏はこの件について記者会見やYouTubeでの生配信で繰り返し説明を行っていますが、一部発言がさらなる議論を呼んでいます。
疑惑の詳細と藤田氏の初期対応
「しんぶん赤旗」の報道によると、藤田氏は2017年から2024年にかけ、「ビラ印刷費」などの名目で約2000万円を自身の公設第一秘書が代表を務める会社に支出。この秘書には同社から年間720万円の報酬が支払われていたとされ、これが「身内への税金環流ではないか」との疑念を招きました。
この疑惑に対し、藤田氏は11月4日の記者会見で、当該秘書の会社への発注は「仕事の質、スピードともに信頼できる発注先として、業務上の合理性がある」と説明。さらに「法的にはどこから切り取っても適正」と強調し、法的問題はないと主張しました。一方で、今後の発注は控える意向を示しました。
公金環流疑惑について説明する日本維新の会・藤田文武共同代表
YouTube生配信での追加説明と「余計なひと言」
11月6日にYouTubeビジネス動画メディア『ReHacQ-リハック-』に出演した際も、藤田氏は秘書が代表を務める会社への発注に違法性がないことを改めて訴えました。秘書との関係性については、2019年の初当選以前から自身を心身ともに支えてくれた「特別な存在」であると語りました。
視聴者からの「秘書の本業はどちらですか?」という質問に対しては、「両方じゃないですか」「僕も彼も経営者なんで。会社の事業が5個あって、『どれが本業なんですか?』っていったら、『いや、どれも収益に貢献してます』ってだけの話なんで。全部でパフォーマンスを上げてますっていう話なんですよ」と回答。
その上で、秘書業務が疎かになっているかどうかが問題だと提起し、「言うの恥ずかしいんですけど、うちの事務所力って、たぶん維新の会随一ぐらい回ってるっていうか、スムーズっていうか、クオリティが高いので。それを全部回してるのが彼なんで」と、秘書の能力と事務所の効率性を自負する発言をしました。秘書の勤務実態についても「毎日勤務してます」と明言しました。しかし、この「維新の会随一」という発言は、一部視聴者から「余計なひと言」としてひんしゅくを買う結果となりました。
公設秘書の兼業規定とその解釈
原則として、国会議員の公設秘書の兼業は「国会議員の秘書の給与等に関する法律」第21条の2で禁じられています。しかし、同条文には「国会議員が議員秘書の職務の遂行に支障がないと認めて許可したときは、議員秘書は、他の職務に従事し、又は事業を営むことができる」という例外規定も設けられています。
藤田氏は、4日の会見で当該秘書の兼業や勤務実態について問われた際、記者からの言葉を借りる形で秘書を「スーパーマン」と評しました。また、初当選時から選挙ごとに兼業届を提出していることも明らかにしており、法律の条文に則しているため「違法性はない」というのが藤田氏側の見解です。
結論
日本維新の会・藤田文武共同代表を巡る公金環流疑惑は、法的適正の主張と、公費の使途に関する国民の疑念との間で波紋を広げています。藤田氏は一貫して違法性を否定し、秘書の業務遂行能力を高く評価していますが、その説明や一部発言が今後どのように受け止められていくのか、注目が集まっています。
参考文献:





