「即金ですぐ必要」「今日中にお願いしたい」-。大阪府警が特殊詐欺の容疑者の少年から押収したスマートフォンに、特殊詐欺グループとのやり取りとみられるSNSのメッセージが残されていたことが9日、府警への取材で明らかになった。府警は詐欺グループが、金に困った少年を高齢者からキャッシュカードなどを受け取る「受け子」に使っていたとみている。
府警は8日、金融庁職員などをかたり、大阪市住吉区内の80代男性からキャッシュカードをだまし取ろうとしたとする詐欺未遂容疑で、大阪府内に住むアルバイトの少年(19)を逮捕。少年が所持していたスマホには、詐欺グループとのやり取りとみられるSNSの記録が残っていた。
少年はツイッターを通じて詐欺グループに接触したとみられる。グループ側から「仕事内容は理解されてますか?」「経験ありますか?」と問われると、「内容は分かりますが経験はないです」と答えていた。
さらにグループ側から「こちらでしっかりサポートしていきますし、指示どおり動いてもらえれば、誰にでも簡単にできる仕事です!サツ関係にも繋がりありますのでリスクヘッジはしっかりしてますから安心してください」といわれると、「今日中にお願いしたいのですがいけそうでしょうか?」「大阪で交通費もない状況です」「今日中だと厳しそうですか?」と金に困っていることを訴え、受け子の指示を受けていた。
少年は8日午後、住吉区内の駅前で、白のシャツに黒のスーツズボン姿でいるところを警戒中の府警の捜査員に発見され、職務質問された。偽の近畿財務局の身分証や、キャッシュカードとのすり替えに使うゲームカードなどを持っており、同日夜に詐欺未遂容疑で逮捕された。