外出中に急にトイレに行きたくなった経験は誰にでもあるでしょう。しかし、近くに公衆トイレなどが見当たらず、駅のトイレを利用せざるを得ない状況に陥ることも少なくありません。
この場合、電車に乗らないにもかかわらず駅構内に入るための「入場料」が必要になることがありますが、本当に支払う必要があるのでしょうか? 本記事では、駅の入場料に関する原則ルールと共に過去の鉄道会社の対応などもふまえて解説します。
駅構内の入場には原則として「入場料」が必要
駅の改札を通る際、電車に乗車する場合はもちろんですが、構内施設を利用するためだけでも入場料を支払う必要があります。この入場料は、一般的に「入場券」として販売されています。
例えば、東京都内の主要駅では、入場券の料金は1回あたり大人で150円から160円程度、こどもで70円から100円程度です。この料金は、トイレ利用のために駅構内に入る場合でも例外ではなく、電車に乗車しなくても適用されます。
トイレ利用のためだけでも支払いは必要?
前述のとおり、トイレを利用するだけの目的で駅に入る場合でも、基本的には入場料を支払う必要があります。ただし、一部の駅では、駅員に事情を説明することで特別に改札を通してもらえる場合もあるようです。
2022年に東京新聞が、改札内のトイレを無料で使うことができるかについて、JR東日本を含む大手鉄道会社10社にインタビューを実施しました。結果として、JR東日本、東武鉄道、京成電鉄、京王電鉄、京急急行電鉄は入場券が必要との回答でした。
一方、西武鉄道、東急電鉄、相模電鉄は原則、入場券が必要だが、やむを得ない場合は駅係員の判断で入場券なしで利用可能としていました。
また、小田急電鉄は無料で自動改札を通過できる「入場証」の発行があり、東京メトロは入場券制度がなく、事情に応じて改札内の最寄りのトイレを案内しているという回答でした。鉄道会社によっても対応が違ってくるのが実情のようです。
ICカードで改札内のトイレのみを利用する場合の注意点
入場券を購入するのではなく、ICカードで改札を通る場合、同じ駅の改札を2時間以内に通過した場合には自動的に料金が引かれるため、駅構内でトイレを利用するだけで出入りすると、払い戻しができないことがあります。
そのため、駅でトイレを利用したい場合は、まず駅員に相談し、適切な方法で改札を通るようにしましょう。
原則対応を念頭に置きつつ、駅係員への相談はしてみる価値あり
駅でトイレを利用する場合、基本的にはお金を払って入場券を発行してもらうことが必要ですが、鉄道会社によっては駅員に相談することで例外的な対応を受けられることもあります。緊急時や困った際には、遠慮せず相談することが大切です。
また、駅に近い商業施設内に設置されたトイレや、駅近くにある無料の公衆トイレなど、近隣のトイレ情報を調べることで、駅内のトイレを使わなくても解決できる可能性もあるため、緊急時でも焦らずに、複数の対応策を確認し対応することが大切です。
出典
JR東日本 入場券
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部