神奈川の災害復旧道半ば 台風19号1カ月 続く不明者捜索や避難所生活

[ad_1]



重機が並ぶ遺体発見現場(左側中央)まで、住居は人の立つ道路周辺から谷底まで流れ落ちたとみられる=11日、相模原市

重機が並ぶ遺体発見現場(左側中央)まで、住居は人の立つ道路周辺から谷底まで流れ落ちたとみられる=11日、相模原市

 神奈川県内各地に甚大な被害をもたらした台風19号の上陸から12日で1カ月。県内ではいまも行方不明者の捜索や土砂崩れによる道路・鉄道の寸断が続き、避難所生活を送る人がいるなど、災害復旧は道半ばだ。災害の影響が特に大きい相模原市、川崎市、箱根町の現状を追った。

■相模原市

 大雨による土砂崩れが市内の各地で発生した相模原市。緑区の牧野(まぎの)地区では、流された民家に住んでいた夫婦が行方不明となった。消防や警察などによる捜索活動が連日行われていたが、10日、捜索隊が土砂崩れ現場より下流の谷沿いの土砂のなかから、佐々木定子さん=当時(63)=の遺体を発見した。しかし、夫の睦(むつお)さん(67)の行方は依然として分からないままで、捜索活動は続いている。

 避難所生活を余儀なくされている人も多い。市が把握している避難者は26人(10日時点)だが、指定避難所以外の自治会館などに避難している人もおり、実数はさらに上回るとみられる。土砂崩れで自宅が全壊し、近くの連絡所に避難中の男性(54)は「家は流されたが、生まれ育った自宅に帰りたいという思いがある。今後のことを考えると不安だ」と漏らした。

 市によると、市内では土砂崩れが147カ所で発生。増水した河川に車ごと流され、家族4人が死亡するなど、市内での死者は計7人にのぼり、1人が行方不明。道路は11日時点で28カ所が通行止めとなったままだ。市の危機管理局は「捜索活動やライフラインの復旧に全力を尽くしたい」としている。

■川崎市

 浸水被害が多発した川崎市では、罹(り)災(さい)証明書の申請・発行に伴って集計が進み、被害の全容が見え始めている。市によると、全市の床上・床下浸水は計1159軒(6日時点)。前週から150軒以上増えており、市災害対策本部は「伸びは鈍化するが、今後も増えていく」との見通しを示している。

 浸水被害の中心となった中原、高津の両区では、改修のために立ち退きを求められた住人が引っ越し作業に追われるなど、外観からは見えにくい屋内などでの「被災」が続いている。氾濫した平瀬川下流域の被害は大きく、周辺ではいまも避難所が開設されている。

 また、市が公表した市内の被害総額概算は公共・民間合わせて約300億円。内訳は、公共関連では「道路」約11億円▽「河川」約46億円▽「港湾」約14億円-など。民間関連は「製造業など」約58億円▽「農業」約3千万円▽「住宅」約71億円-となっている。

 浸水被害を受け、収蔵品約26万点が被災した市市民ミュージアムは、いまも営業再開のめどが立っておらず、収蔵品の被害額も「さらに増える可能性がある」(担当者)としている。

■箱根町

 国内過去最大の降雨量を記録し、各地で土砂崩れが発生した箱根町では、配管の損傷や流出によって温泉供給が停止するなど、観光業が打撃を受けている。今月上旬から一部の施設で供給が再開したが、まだめどが立たない施設も多い。紅葉シーズンが本格化するなか、供給各社は急ピッチで復旧作業を進めている。

 同町観光協会によると、台風19号以降、温泉供給が停止していた宿泊施設計99軒のうち、42軒で供給が再開し、57軒が停止したまま(6日時点)。強羅と仙石原地区に供給する箱根温泉供給は5日、損壊した配管設備を復旧し、約3週間ぶりに、一部地域を除いて復旧した。

 強羅と早雲山地区に供給する箱根登山鉄道は今月中旬からの再開を目指している。供給が止まったままの温泉施設では、温泉成分のない沸かし湯の利用や、他の施設から温泉の提供を受けるなど、苦しい営業を強いられている。

 土砂流出の被害を受け、立ち入りが禁止されていた仙石原の「ススキ草原」は、全長700メートルの遊歩道の路面補修が進んでいるが、入り口から約150メートルから先は立ち入ることができないままという。

[ad_2]

Source link