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東京大学の一般入試の合格発表が10日に行われ、合格者の女子比率は20%にとどまりました。女子学生を増やすことに取り組んでいる東大ですが、約20年間「2割の壁」をはさんで停滞しています。理事・副学長の林香里教授は、日本テレビの単独インタビューに応じ、「女性の能力とか努力、個人の問題ではない」と、社会構造の問題を指摘したうえで、高等教育の低迷につながる損失だと危機感を表しました。
■2割の壁「またか…」 林副学長が “1番責任を感じる”のは…
報道局ジェンダー班 福井由紀子記者:
合格者に占める女子の割合が20%ということですが、この結果はいかがお考えですか?
東京大学理事・副学長 林香里教授:
またか…という感じですかね。
福井:志願者数としては23.3%で過去最高だったと聞きました。
林:本当に“微増”ですよね。この20年ぐらい、2割から動かないわけですよね。女性の能力とか努力、個人の問題ではなくて、やっぱり大学にも責任があるし、日本社会の問題もあるし、構造的な問題だと思いますよね。
福井:東京大学としては、学部生と院生を合わせて3割を掲げていますね。「なぜ東大の女子学生の比率を上げなきゃいけないんだ」という問いに対してはどうお答えになっていますか?
林:もちろん合格者数が2割というのは毎年心が痛いんですが、それよりも、志望する女性の割合がすでに2割にとどまっている。ここが1番責任を感じるところです。東大じゃなくてもいいんですけど、どんなことでもやっぱり女性もいろいろ挑戦してほしいんですよね。
もうひとつは、東京大学としても、サイエンス、人文社会もいろんな競争がありますから、いい人材が欲しいわけですよ。女性がきちっと志望してくれないことは本当に損失だと思います。高等教育って、新しい発想とか、違う見方がぶつかり合って切磋琢磨していく場所ですから。いつも同じようなグループだけで実験したり議論したりということだったら、低迷しちゃいますよね。