日本の植民地支配からの独立を記念する「三一節」の連休(3月1~3日)に、23万人以上の韓国人観光客が日本を訪れました。国内旅行を抑えて日本旅行を選ぶ人が増えている現状を、詳しく見ていきましょう。
三一節連休、日本旅行客が前年比10%増
韓国最大野党「共に民主党」のイ・ヨンヒ議員(国会国土交通委員会所属)が仁川国際空港公社などから入手した資料によると、三一節連休中に韓国の空港から日本へ向かった旅客数は、合計23万1956人に上りました。これは前年同期比で10.2%増、コロナ禍前の2019年と比べても15.1%増加しています。
仁川空港が最多、地方空港も好調
空港別に見ると、仁川国際空港からは16万2235人、金浦、清州、大邱、金海、済州の各空港からは6万9721人が日本行きの便を利用しました。地方空港からの利用者も増加しており、日本旅行の広がりを見せています。
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円安と地理的近さが人気の理由
日本旅行の需要は、2022年末のノービザ個人旅行再開以降、急増しています。韓国から地理的に近く、円安傾向が続いていることが大きな魅力となっています。
航空路線の拡充も後押し
さらに、航空各社が日本への新規路線を就航させ、地方都市へのアクセスも向上していることも、旅行者にとっての選択肢を広げ、日本旅行の魅力を高める要因となっています。 例えば、地方都市への直行便が増えたことで、より手軽に地方の魅力を体験できるようになりました。旅行情報サイト「たびこ」のキム・トラベル氏(仮名)は、「地方へのアクセス改善は、リピーター獲得にも繋がり、長期的な観光需要の増加に期待できる」と述べています。
臨時公休日も日本旅行が活況、国内消費喚起に課題
今年1月、韓国政府が内需活性化を目的として設けた臨時公休日にも、日本旅行の需要が急増しました。これに対し、「臨時公休日は日本に利益をもたらしただけだ」といった批判の声も上がっています。韓国国内の観光産業活性化に向けたさらなる取り組みが求められています。
日本への旅行人気は、円安や地理的な近さだけでなく、多様な文化体験やグルメ、ショッピングなど、様々な魅力が重なり合って生まれたものです。今後もこの傾向は続くと予想され、日韓間の観光交流がさらに活発化することが期待されます。