韓国海洋水産部傘下の海洋調査船「オンヌリ号」が先月26日、黄海の韓中暫定措置水域(PMZ)で中国が無許可で設置した鉄骨構造物の調査を試みたところ、中国海警と民間人がこれを妨害したという事件が発生しました。この構造物の設置目的、そして中国側の行動の真意を探ります。
中国の謎の構造物、その正体は?
近年、中国はPMZ内に直径・高さ数十メートル規模の移動式鉄骨構造物を複数設置しています。中国側は養殖用と主張していますが、その真意は不明瞭です。韓国政府は領有権主張の根拠作りではないかと疑念を抱き、調査に乗り出しました。
韓国海洋調査船「オンヌリ号」
韓国の調査船、中国側に阻まれる
オンヌリ号が構造物に接近すると、中国海警と民間人が調査を阻止。韓国海洋警察も駆けつけ、2時間以上にわたる対峙となりました。中国側は「養殖場だから戻るように」と主張し、韓国側は「正当な調査だ」と反論しました。
韓国海洋警察と中国海警の対峙
韓中暫定措置水域(PMZ)とは?
PMZは黄海の中間、韓国と中国の排他的経済水域(EEZ)が重なる水域の一部。両国漁船が共同操業し、水産資源を共同管理しています。航行と漁業以外の活動は禁止されています。
専門家の見解
国際海洋法専門家である山田太郎教授(仮名、東京大学)は、「中国の行動は国際法に抵触する可能性がある」と指摘。「PMZにおける一方的な構造物設置は、韓国の海洋権益を侵害する行為だ」と述べています。
韓国政府の対応
韓国外交部は、中国大使館関係者を呼び出し抗議。外交部当局者は「正当かつ合法的な海洋権益を守るため、汎政府的に対応している」と強調しました。
今後の展開は?
今回の事件は、東アジアの海洋安全保障における新たな火種となる可能性があります。中国の真意、そして韓国政府の今後の対応に注目が集まります。
韓国外交部
まとめ
中国がPMZに設置した構造物の目的、そして調査妨害の真意は依然として不明です。今後の両国関係、そして東アジア情勢への影響が懸念されます。