【ニューヨーク=上塚真由】大統領選の不正疑惑をめぐり国内が混乱し、10日に大統領職を辞任した南米ボリビアの左派、モラレス氏(60)が12日、亡命先のメキシコに到着した。モラレス氏はメキシコシティ国際空港で記者団に「クーデターで(大統領職を)追われた」と主張し、「命が続く限り、私は政治活動を行っていく。闘争は続く」と政界復帰に意欲を示した。メキシコのエブラルド外相もモラレス氏を歓迎する声明を出した。
一方、ボリビアではモラレス氏の辞任を受け、野党出身の上院のアニェス第2副議長が12日、暫定大統領に就任することを宣言。ボリビアではこの日、上下両院が特別議会を招集する予定だったが、両院で多数を占める与党議員が出席しなかった。アニェス氏が議会の承認を経ずに暫定大統領就任を宣言したことでモラレス氏の支持層から反発が強まることが予想される。
反米左派のモラレス氏は2006年、先住民出身として初の大統領に就任。安定した政権運営を行ってきたが、16年にモラレス氏の4選を可能にする憲法改正案が国民投票で否決された。その後、同国の憲法裁判所が再選回数の上限を無効と判断。批判が高まる中で行われた10月の大統領選で4選を果たしたものの、開票結果に不正があると抗議デモが激化し、辞任に追い込まれた。