【茨城発】激安ラーメン店「ラーメン・餃子 250」、350円への値上げに秘められた想いとは?

ラーメン激戦区の日本で、1杯1000円が当たり前になりつつある昨今。茨城県水戸市に突如現れた「ラーメン・餃子 250」は、店名通りの250円ラーメンで大きな話題を呼びました。開店から1年、今もなお行列が絶えない人気店ですが、2025年4月1日より、ラーメン1杯350円への値上げに踏み切るとのこと。一体なぜでしょうか?今回は、店主の村上英雄氏に、値上げの真相や、激安価格で勝負する秘訣を伺いました。

250円ラーメンへの挑戦、当初は反対の声が…

2024年2月、水戸市の繁華街にオープンした「ラーメン・餃子 250」。今でこそメディアでも引っ張りだこの人気店ですが、開店当初は250円という価格設定に周囲は猛反対だったそうです。

「ほぼ全員から反対されました。『1杯1000円超えの店も増えているのに、時代に逆行している』『物価高騰のご時世に無理だ』と。確かに、原価が上がり続ける中で250円ラーメンを提供するのは至難の業のように思えました」と村上氏は当時を振り返ります。

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伝説の味と価格を継承する想い

しかし、村上氏には譲れない想いがありました。かつて同じ水戸市で約60年間、250円ラーメンを提供し続けた伝説のラーメン店「中華そば すずき」。惜しまれつつ閉店したこの店の味と価格を、何とかして継承したいという強い思いが、村上氏を突き動かしたのです。

「『すずき』は地元の人々に愛され、私も大好きな店でした。その味が、そして価格が消えてしまうのは寂しくて…だから、値段だけでも繋ぎたいと思ったんです」

無謀ではない、緻密な計算に基づいた挑戦

「すずき」へのリスペクトを胸に、村上氏は現代の物価高騰という逆風の中でも、勝算を見出していました。

「開業前にペルソナ設定をした際、『すずき』の常連さんが来てくれると想定しました。加えて、『日本一安いラーメン』としてSNSで話題になれば、さらに集客できると考えました。実際、SNSでの反響は大きく、テレビ取材も多数いただきました。」

さらに、実家が製麺所であることも大きな強みとなりました。

「麺の発注数から、各店舗のラーメンの販売数を把握できていました。『すずき』も長年の取引先だったので、250円ラーメンでの経営分析データも参考に、損益分岐点を算出。何食売れば利益を出せるか、明確な見込みを持って開業しました。」

350円への値上げ、その真意とは?

そして2025年4月、ついに値上げを決断。その理由を村上氏はこう語ります。

「もちろん、物価高騰の影響もあります。しかし、それだけが理由ではありません。より良い食材を使い、さらに美味しいラーメンを提供するために、値上げは必要な選択でした。350円という価格でも、まだまだ挑戦できると思っています。」

フードジャーナリストの山田太郎氏(仮名)も、「薄利多売で勝負する同店の戦略は、消費者にとって大きなメリット。値上げ後も、価格と品質のバランスが取れた魅力的なラーメンを提供し続けると期待できる」と分析しています。

茨城発、激安ラーメンの挑戦は続く

値上げという苦渋の決断をしながらも、村上氏の挑戦は続きます。地元への愛と、ラーメンへの情熱を胸に、これからも多くの人々を笑顔にする一杯を提供してくれることでしょう。皆さんもぜひ、「ラーメン・餃子 250」で、進化を続ける激安ラーメンを味わってみてください!