佐久間良子、帝国劇場休館に感慨 自伝で鶴田浩二との恋も赤裸々告白

帝国劇場の休館に際し、女優・佐久間良子さんが感無量の思いを語りました。長年、日本の演劇界を支えてきた帝国劇場の歴史と共に、佐久間さん自身の軌跡も振り返ってみましょう。さらに、最近出版された自伝で明かされた、国民的俳優・鶴田浩二さんとの秘めた恋についても掘り下げていきます。

帝国劇場への惜別の思い

2月28日、長きにわたり日本の演劇界を彩ってきた帝国劇場が一時休館を迎えました。最終公演後には盛大な「感謝の夕べ」が開催され、北大路欣也さん、市村正親さん、大地真央さんなど、錚々たる顔ぶれが Abschied を惜しみました。中でもひときわ輝きを放っていたのが、86歳になる佐久間良子さんです。年齢を感じさせない華やかさで、乾杯の音頭も務め上げました。

帝国劇場の休館を惜しむ佐久間良子帝国劇場の休館を惜しむ佐久間良子

佐久間さんは、かつて帝国劇場で「唐人お吉」「滝の白糸」「細雪」など数々の名作で座長を務め、20年以上にわたり舞台に立ち続けました。「私たちが帝劇に出ていた時は和物が多く、20年以上も帝劇で演技をさせていただきました。その帝劇が休館するなんて、いまは胸がいっぱいです」と、感慨深げに語ったといいます。

初の自伝で明かされた波乱万丈の人生と秘めた恋

今年1月、佐久間さんは初の自伝的エッセイ『ふりかえれば日々良日』を出版。練馬の大地主の娘として育ち、両親の反対を押し切り19歳で東映ニューフェイスとしてデビュー。華やかな女優人生の裏で、様々な苦悩や葛藤があったことを赤裸々に綴っています。

中でも注目を集めているのが、国民的俳優・鶴田浩二さんとの不倫関係についてです。昭和38年、当時22歳だった佐久間さんと14歳年上の鶴田さんとの関係が噂されました。自伝の中で佐久間さんは、「私は男性に心を惹かれるとき、仕事ぶりやプロ意識に対する尊敬や憧れが、愛情に変わる場合が多いのです」と、鶴田さんとの不倫関係を認めました。

若かりし頃の佐久間良子若かりし頃の佐久間良子

禁断の恋の結末

数年後、佐久間さん自身から別れを切り出したと明かしています。「お互いの気持ちが冷めたわけではないのですが、私のほうから終止符を打ったのでした」と、当時の複雑な心境を吐露しています。

著名な料理研究家のA氏は、「当時の社会情勢を考えると、人気絶頂の俳優との恋愛は大きなリスクを伴うものでした。それでも自らの思いに正直に生きた佐久間さんの強さに感銘を受けます。」と語っています。

時代の変化と進化する帝国劇場への期待

近年の帝国劇場は、「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」といったミュージカル作品が主流となっています。しかし、かつては山田五十鈴さんや森光子さんといった大女優による座長公演が人気を博していました。時代の変化とともに、劇場の在り方も変化していくのは必然と言えるでしょう。

一時休館を経て、新しく生まれ変わる帝国劇場。その新たな幕開けに、多くの期待が寄せられています。