チケット転売規制強化:ファンの本音と揺れるエンタメ業界

コンサートやライブのチケット転売問題。公式リセールサービスの導入など対策が進む一方で、ファンの間では様々な声が上がっています。今回は、転売規制強化による影響やファンのリアルな声に迫ります。

転売対策でライブ参戦が困難に?

かつては「推し文化のひとつ」とさえ言われたチケット転売。しかし、近年は大手芸能事務所を中心に、不正転売への法的措置も強化されています。都内エステサロン勤務のAさん(28歳)は、10年来のアイドルグループファン。以前は複数のファンクラブ名義を使い、良席確保のため大量にチケットを購入、余ったチケットは転売サイトで高額売却し、次のライブ資金に充てていたといいます。

「もちろん褒められた行為ではないことは承知していましたが、周りのファンも当たり前のように行っていたので抵抗はありませんでした。しかし、事務所の厳格な転売対策により、以前のようにライブに参戦することが難しくなりました。ライブで推しに会うことが応援のモチベーションだったので、現場に行けなくなったことで熱意が冷めてしまうのを感じています。」(Aさん)

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高額転売はなくなってほしい…でも

転売対策強化に複雑な思いを抱くファンは少なくありません。不動産会社勤務のBさん(23歳)は、公式の転売対策によって、真面目に「ソロ活」を楽しんでいるファンがライブに行けなくなることを懸念しています。

「応援しているグループは、抽選結果が出た直後から転売サイトで高額取引される人気グループです。10万円から20万円は当たり前、誕生日や千秋楽ともなれば30万円~60万円まで跳ね上がります。経済的に余裕のあるファンが高額チケットを購入するので、結局売れてしまうんです。

不正転売が禁止され、高額取引がなくなるのは良いことだと思います。しかし、定価プラス数万円程度の転売は許容してほしいのが本音です。大勢のオタク仲間と協力してチケットを購入できる人と違い、“ソロ活勢”は本当にチケット入手が困難になります。結果として、オタク仲間が多い方が有利になるという不公平感が生まれてしまうのではないでしょうか。」(Bさん)

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エンタメ業界の未来とファンの声

チケット転売問題への対策は、健全なエンタメ業界の発展に不可欠です。一方で、ファンの声にも耳を傾け、より良い解決策を探る必要があります。例えば、公式リセールサービスの拡充や、抽選システムの改善など、様々な角度からのアプローチが求められています。エンタメ業界とファンが共に楽しめる環境づくりのため、引き続き議論と改善が期待されます。