【台北=田中靖人】台湾の野党、親民党の宋楚瑜(そう・そゆ)主席(77)は13日、台北市内で記者会見し、来年1月の総統選への立候補を表明した。宋氏の出馬は副総統候補を含め5回目。
総統選には、再選を目指す民主進歩党の蔡英文総統(63)と最大野党、中国国民党の韓国瑜(かん・こくゆ)高雄市長(62)の2人が立候補を決めている。大手テレビ局TVBSが今月7日に公表した世論調査の支持率は、蔡氏45%、韓氏37%に対し、宋氏は10%と大きく離れている。
宋氏は、民進、国民の二大政党の対立では「第三の声が永遠に表面に出てこない」と述べ、第三勢力の結集を目指す意向を示した。ただ、投票まで2カ月を切った時点での出馬決定は、総統選と同日に行われる立法委員(国会議員に相当)選で、親民党の比例票を底上げするのが狙いとみられている。台湾メディアの関心は、宋氏の出馬が蔡、韓両氏の支持にどう影響するかに向いている。
宋氏は2000年の総統選で国民党を離党して無所属で出馬し落選。親民党を結成し、04年には国民党の連戦(れん・せん)氏の副総統候補として出馬、12年と16年には親民党から出馬したが、いずれも落選した。宋氏は前回16年の総統選で基準の5%を超す約13%の得票率があり、出馬に署名は必要ない。
宋氏は蔡政権発足後の16、17両年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に台湾代表として出席した。