昭和52年11月15日、新潟市で13歳だった横田めぐみさん(55)が北朝鮮に拉致されてから42年となるのを前に14日、母の早紀江さん(83)が川崎市内で記者会見し、「被害者も私たち家族も年を取ったが再会の決意は揺るがない。『子供たちを早く取り返していただきたい』という願いで一貫している」と、被害者の即時帰国を訴えた。
早紀江さんは、日本政府と北朝鮮の対話が前進しない現状について「42年もたって解決しないことが本当に嘆かわしい。家族も高齢になり、いつまで帰国を待てるのか、と焦りがある」と怒りをにじませ、「日本をはじめ、世界が力をあわせて被害者帰国を迫っていただきたい。北朝鮮にとっても国を幸せにする重要な好機だ」と呼びかけた。
めぐみさんの父、滋さんは14日、87歳の誕生日を迎えたが、昨年4月から病院で療養中のため、記者会見に出席できなかった。早紀江さんは「本当なら大好きなお酒を飲み、明るい誕生日にしてあげたかった。食事も思うようにできず、会話も難しいが、めぐみと元気に再会するため、懸命にがんばっている」と近況を明かした。
また、「北朝鮮は閉ざされた国で、実態は見えないが、めぐみたちが必ず生きていると信じて、救出に全身全霊をささげてきた。拉致は日本人の誰にでも起こりえたこと。引き続き、皆様に解決への後押しをいただければ」と力を込めた。