【ワシントン=黒瀬悦成】韓国などアジア歴訪に出発したエスパー米国防長官は13日、立ち寄り先の西部ワシントン州の米軍基地で記者団に対し、北朝鮮の非核化に向けた外交交渉を促進させるため、米韓合同軍事演習の実施規模を「調整」する用意があると表明した。
エスパー氏は「直ちに調整を実施するわけではない」とし、演習の規模を縮小させるとも明言しなかったものの、米韓が来月に空軍演習の実施を予定していることに北朝鮮が反発しているのを受け、一定の配慮を示した可能性がある。
国防総省のイーストバーン報道官は先週、「北朝鮮が反発したからといって演習を調整することはない」と述べていた。
エスパー氏は一方、韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定したことについて「協定は維持されるべきだ」と強調。「協定は、北朝鮮の行動に関する情報をタイムリーに共有するのに不可欠だ」と訴えた。
エスパー氏はその上で、韓国政府高官に対しては「協定の問題を乗り越え、(日米韓)が同盟国として共に北朝鮮の悪辣な行為をいかに抑止し、長期的には中国にどのように対処していくかに集中すべきだと促していく」と語った。
さらに「現在の(日韓の)対立で利益を得ているのは北朝鮮と中国だ。対立を乗り越え、従来通り協力的な取り組みを進めるべきだ」と指摘した。