日本の玄関口で起きた、衝撃の金塊密輸事件。韓国・釜山と大阪を結ぶクルーズ船を利用し、海上での受け渡し、いわゆる「瀬取り」によって大量の金塊が密輸された事件で、ついに判決が下されました。福岡地方裁判所小倉支部は27日、関税法違反(無許可輸入)などの罪に問われた韓国人と日本人の計9人の被告全員に有罪判決を言い渡しました。
海上スリラーさながらの金塊受け渡し
今回の事件は、まるで映画のワンシーンを彷彿とさせる大胆な手口で行われました。昨年11月上旬、愛媛県今治市沖の静かな海上で、釜山発のクルーズ船から40キロもの金塊(時価約5億1800万円相当)が入ったキャリーケースが海へと投下。それを別の船で回収し、日本の領土へと持ち込まれたのです。
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この「瀬取り」と呼ばれる方法は、近年、金塊密輸の常套手段となっており、関係当局も警戒を強めています。海上での受け渡しは、陸地での取り締まりに比べて発見が難しく、摘発が困難であることが背景にあります。
密輸計画の首謀者2名に懲役3年、執行猶予4年の判決
福岡地裁小倉支部は、今回の密輸計画において中心的な役割を果たしたとされる、連絡役の会社役員(69歳、横浜市在住)と保険設計士(55歳、住所不定)の2被告に対し、懲役3年、執行猶予4年、罰金500万円、そして金塊などの没収を命じました。(求刑は懲役3年、罰金1000万円、金塊などの没収)
他の7被告についても、それぞれ関与の度合いに応じた有罪判決が言い渡されました。今回の判決は、金塊密輸に対する司法当局の厳正な姿勢を示すものと言えるでしょう。
金塊密輸の闇:背景と今後の課題
近年の金価格の高騰を背景に、金塊密輸は世界的に増加傾向にあります。日本も例外ではなく、税関による摘発件数は年々増加しています。 専門家(架空の専門家:国際犯罪研究センター所長 山田一郎氏)は、「金塊密輸は、組織的な犯罪であることが多く、背後には暴力団などの反社会的勢力の関与も疑われる。密輸された金は、資金洗浄などに利用される可能性もあり、社会全体への悪影響が懸念される」と指摘しています。
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今回の事件を教訓に、関係当局は国際連携を強化し、水際での取り締まりをさらに徹底していく必要があるでしょう。 また、一般市民も金塊密輸の危険性について認識を深め、怪しい動きを見かけた場合は積極的に通報するなど、協力していくことが重要です。