イラン核開発問題を巡り、米イラン間の緊張が再び高まっている。トランプ米大統領からの交渉呼びかけに対し、イランのロウハニ大統領は間接交渉の可能性を示唆する一方、アメリカ側の対応次第と突き放す姿勢を見せている。果たして、両国は対話の道を見出すことができるのだろうか。
トランプ大統領、交渉と圧力併用
トランプ大統領は、イラン最高指導者ハメネイ師に交渉を呼びかける書簡を送る一方で、NBCテレビのインタビューで、イランが交渉に応じない場合は「空爆」や「二次関税」も辞さない強硬姿勢を示した。「イランがかつて経験したことのないような爆撃になるだろう」と威嚇するなど、圧力を強めている。
ロウハニ大統領(出典:FNNプライムオンライン)
ロウハニ大統領、間接交渉の余地残す
ロウハニ大統領は、トランプ大統領からの書簡に対し、「イランは決して交渉を避けたことはない。信頼を傷つけたのは約束を破ったアメリカだ」と反論。直接交渉は拒否するものの、EUやフランスなどを介した間接交渉には応じる用意があると表明した。ただし、交渉継続の可否はアメリカの対応次第だと釘を刺している。
専門家の見解
国際政治アナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「ロウハニ大統領の発言は、国内の強硬派に配慮しつつ、国際社会からの孤立を避けるためのバランスの取れた対応と言えるだろう。しかし、トランプ大統領の強硬姿勢を考えると、交渉の行方は予断を許さない」と指摘する。
交渉再開への課題
米イラン間の緊張緩和と核合意の復活に向けて、両国にはいくつかの課題が突きつけられている。アメリカは、イランの核開発制限とミサイル開発の抑制を求めている一方、イランはアメリカによる経済制裁の解除を要求。双方の溝は深く、妥協点を見出すのは容易ではない。
今後の展望
今後の展開は、アメリカの対応に大きく左右される。トランプ大統領が圧力路線を継続するのか、あるいは対話による解決を模索するのか。イラン側も、アメリカの出方を見極めながら、慎重に交渉戦略を練っていくとみられる。国際社会は、米イラン間の緊張緩和と核不拡散体制の維持に向けて、両国への働きかけを強化していく必要がある。
まとめ
米イラン核交渉の行方は依然として不透明だ。両国が対話を通じて歩み寄りを図れるか、国際社会の注目が集まっている。