米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は14日、議会下院予算委員会の公聴会で「米連邦政府の財政は債務が増加し、持続不可能な道のりにある」と述べ、財政赤字の削減を促した。共和・民主両党とも財政再建の機運に乏しいため、公聴会を使って警鐘を鳴らした。
パウエル氏は「景気後退期には、財政政策で経済を支えるのが重要だ」と指摘し、米経済が堅調なうちに財政再建に取り組むべきだとの考えを示した。
米国では、予算は議会が立案・審議し、大統領の署名を経て成立する。2019会計年度(18年10月~19年9月)の財政収支の赤字額は、前年度比26・4%増の9843億8800万ドル(約107兆円)となり、7年ぶりの高水準だった。
17年末には、共和党が主導して法人税率大幅引き下げを柱とする税制改革法が成立。一方、18年の中間選挙で下院の過半数を奪回した民主党は、来年の大統領選に向けて社会保障費など歳出の拡大を目指している。(共同)