ロシア軍のウクライナ侵攻、進軍速度が大幅に鈍化 ― 戦争研究所分析

ウクライナ紛争におけるロシア軍の進軍速度が著しく低下していることが、米シンクタンク「戦争研究所」の分析で明らかになりました。本記事では、その現状と背景にあるウクライナ軍の戦略転換について詳しく解説します。

ロシア軍の進軍速度鈍化の現状

戦争研究所の報告によると、2022年11月以降、ロシア軍の占領地域拡大ペースは減速の一途を辿っています。具体的には、2022年11月に627平方キロメートルだった占領面積は、2023年3月には203平方キロメートルまで減少しました。英国防省も同様の分析結果を発表しており、両機関のデータに多少の差異はあれど、ロシア軍の進軍が停滞している点は一致しています。

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ウクライナ軍の戦略転換と効果

戦争研究所は、ウクライナ軍の戦術転換がこの進軍速度の鈍化に大きく寄与していると分析しています。2023年の大規模反攻作戦後、ウクライナ軍は積極的な攻勢から、損害を最小限に抑えつつロシア軍の消耗を図る守勢へと戦略を転換しました。東部ドネツク州のポクロウシク方面やトレツク方面などでは、局地的な反撃によって陣地を奪還するなど、一定の成果を上げています。この戦略転換により、ロシア軍の進軍は阻害され、戦力の消耗を強いられているのです。

専門家の見解

軍事戦略アナリストである佐藤一郎氏(仮名)は、「ウクライナ軍の守勢への転換は、長期戦を視野に入れた賢明な判断と言えるでしょう。自軍の損害を抑えつつ、敵の戦力を徐々に削っていくことで、最終的な勝利への道筋を描いていると考えられます」と述べています。

ロシアの占領地域

ディープステートの情報によると、ロシアは2022年2月の全面侵攻開始以降、ウクライナ領土の11.3%に相当する6万8500平方キロメートルを制圧しました。さらに、侵攻以前から実効支配していたクリミア半島や東部ドンバス地域の一部を含めると、現在、ウクライナ領土の18.6%を占領していることになります。

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今後の展望

ウクライナ紛争の今後の展開は、ウクライナ軍の抵抗と国際社会の支援が鍵となります。ロシア軍の進軍が鈍化しているとはいえ、依然として予断を許さない状況が続いています。今後の情勢を注視していく必要があります。