関西テレビの番組「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した橋下徹氏が、静岡県伊東市の田久保市長を巡る学歴詐称疑惑について自身の見解を述べた。この問題の中心は、市長が選挙時の経歴で東洋大学を「卒業」としたものの、実際には「除籍」だったという点だ。橋下氏は、この問題の焦点は学歴の詳細そのものよりも、市長の「事後対応」にあるとし、「除籍か卒業か」という点自体はそれほど重要ではないとの考えを示している。
伊東市長の学歴問題について議論するテレビ番組の画面。テロップで「除籍と卒業ってそんなに重要?」と表示。
橋下氏「除籍か卒業は大した問題ではない」
橋下徹氏は、伊東市長のケースについて、「『学歴詐称』、『学歴詐称』って言われてるけど、市長の事後対応が問題だと、僕は思う」と指摘。市長が東洋大学に「入学はしている」点を挙げ、「入学試験は通った後に、除籍か卒業って、そんなに、この時代というか、僕も同じぐらいの大学生活を送ってましたけど、その時の大学っていい加減だもん」と自身の経験を交えて語った。
伊東市長の学歴問題についてコメントする橋下徹氏。
授業への出席も厳しくなく、自身は5年間在籍して試験が3回ほどしかなかった当時の状況(うち2回は学生ストで中止)を踏まえ、入学事実がある上での除籍か卒業かは「そんな大した話じゃないんじゃないの?」と疑問を呈した。全く入学していないのに「ハーバード大学卒業」や「東大卒業」と偽るのとは異なり、入学事実がある上で「除籍か卒業が、選挙で投票する時に、そんなに重要な判断要素になりますかね?」と、有権者の判断基準に与える影響についても問いかけた。
経歴詐称は違反だが、重要なのは「職歴と経験」
橋下氏は、選挙期間中に市長の経歴がどのように公表されていたかについて、関西テレビの加藤さゆり報道デスクに質問した。加藤デスクによると、メディアが求めた経歴票に基づき、一部のウェブメディアでは選挙前に「東洋大卒」と掲載されていたが、今回の問題を受けて「東大除籍」と訂正文が出されたという。テレビメディアは経歴の詳細を報じることは少ないとしつつも、政治家の経歴を知る意義には触れた。
市長選挙中の学歴公表について問うテレビ番組のグラフィック。「市長選中に学歴の公表は?」と表示。
橋下氏は、経歴を詐称することは「公職選挙法上は、違反は違反」であることを認めつつも、「それが重要かどうかっていうところを見なきゃいけなくて」と述べた。政治家を判断する際に真に重要なのは「その人の職歴とか経験」であり、入学後に除籍か卒業かが「ものすごい有権者の判断に影響するかと言ったら、僕はそうは思いません」と改めて強調した。
伊東市長の学歴問題を巡る橋下徹氏の意見は、学歴の微細な違いよりも、候補者が実際にどのような経験や職歴を持ち、問題発生時にどう対応するかにこそ注目すべきだという論点を示している。政治家の評価において、形式的な肩書き以上に実質的な資質と信頼性が重要であるとのメッセージが込められている。
出典: 関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」より (Yahoo!ニュース配信記事)