【ワシントン=住井亨介】トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐり、米下院の情報特別委員会は15日、ヨバノビッチ前駐ウクライナ大使に対する公聴会を開催した。ヨバノビッチ氏は、バイデン前副大統領と息子の問題に関して調査をウクライナ政府に働きかけていたトランプ氏の顧問弁護士、ジュリアーニ元ニューヨーク市長らから中傷キャンペーンを受けたと証言。自らの解任につながったとの見方を示した。
ウクライナの汚職問題に厳しい姿勢で臨んでいたヨバノビッチ氏は今年5月、任期を残して突然解任された。証言では、同問題をめぐり対立していたウクライナのルツェンコ前検事総長とジュリアーニ氏が協力して中傷活動を行った状況を説明。「根拠のない疑いを大統領と共有し、解任させた」と述べた。
また、ヨバノビッチ氏は帰国後にサリバン国務副長官から、トランプ氏が自身の辞任を昨夏以降「強く要求していた」と聞かされたとも証言した。
一方、ホワイトハウスは、ウクライナのゼレンスキー大統領が当選を果たした直後にトランプ氏と行った4月の電話会談の記録を公表した。トランプ氏はゼレンスキー氏を祝福し、ホワイトハウスに招待する意向を伝達していた。