【香港=藤本欣也】香港の警官隊とデモ隊が12日に激しく衝突した後、学生らが立てこもっていた香港中文大では16日までに、学生らが撤収した。
同大では15日、警察の再突入が近いとの情報も流れる中、若者らが対応を協議。香港紙、蘋果日報によると、「中文大は重要な戦略拠点だ」として“籠城”を主張する若者らがいる一方、2014年の「雨傘運動」で道路を占拠し続けて失敗した「戦略的な過ちを繰り返すべきではない」と主張する若者らもいたという。結局、3時間の協議をへて撤収が決まった。
15日深夜、大学構内では、デモ隊によって製造された多数の火炎瓶を構外へ搬出する若者たちがいた。食堂には大量の弁当や、まだ温かい野菜料理などが放置され、撤収決定が突然だったことを物語っていた。
一方、香港に駐留する中国人民解放軍は16日、九竜地区で道路の清掃活動を行った。解放軍が駐屯地の外で活動するのは、台風で倒れた樹木を撤去した昨年10月以来2回目。軍人ら約百人がTシャツ姿で、デモによりレンガが散乱した道路を清掃した。軍人はメディアに「自発的行為だ」と話したが、民主派は「これから自発的出動が増えるのでは」と警戒を強めている。