反政府デモが続く中東レバノンの第2の都市、北部トリポリで連夜、DJやミュージシャンが音楽を使って「抗議活動」を盛り上げている。中心部の広場にナイトクラブのような重低音が響き、参加者同士が「一体感を得られる」と好評だ。
「サウラ(革命)! サウラ!」。子どもからお年寄りまで幅広い年代が集まって声を上げる。表情は明るい。水たばこや飲み物の出店が並び、お祭りムードが漂っていた。DJのマイク・アラファイさん(29)は「政治への怒りはたまっている。発散する場も必要だ」と話した。
レバノンのデモは背景に慢性的な財政難や政治腐敗がある。近くで電気店を営むアラ・バディアさん(37)は「不況で開店休業状態だが、ここに来ると苦しいのは自分だけではないと感じられる」と笑顔を見せた。(共同)