ハーバード大学が教育省の要求を拒否したことを受け、ドナルド・トランプ元大統領は同大学の免税資格を取り消し、政治団体として課税する可能性を示唆しました。この動きは、大学における言論の自由、学問の独立性、そして政治と教育の関係性について、大きな議論を巻き起こしています。
ハーバード大学とトランプ政権の対立激化
2025年、イスラエルによるガザ地区への攻撃に対する学生の抗議活動への対応を巡り、トランプ元大統領はハーバード大学を含む複数の大学を批判しました。抗議活動を「反米」「反ユダヤ主義」と断じ、大学が「マルクス主義」「極左思想」を広めていると非難。これらの大学への連邦政府の助成金や契約の打ち切りを表明しました。
抗議デモの様子
ハーバード大学のアラン・ガーバー学長は、教育省の要求は大学の学問の自由を脅かすものとして拒否する姿勢を示しました。これに対し、トランプ政権はハーバード大学への23億ドルの資金提供を凍結しました。
免税資格剥奪の可能性と波紋
トランプ元大統領は、ハーバード大学が「政治的、イデオロギー的、かつ『テロリスト』に触発された『病』を押し進める」場合、免税資格を取り消し、政治団体として課税する可能性を示唆しました。米国では、多くの大学が「公教育目的」で運営されていると認められ、連邦所得税が免除されています。
この発言は、大学への政治介入であり、学問の独立性を脅かすものとして、大きな批判を浴びています。教育専門家の山田花子氏（仮名）は、「大学の自治を尊重し、政治的圧力から守る必要がある」と指摘しています。
大学側の反論と今後の展望
ハーバード大学は、トランプ政権の要求は大学の価値観を脅かすものとして拒否する姿勢を明確にしています。他の大学も同様の懸念を表明しており、コロンビア大学はトランプ政権を提訴しました。
今後の展開次第では、大学における言論の自由、学問の独立性、そして政治と教育の関係性について、更なる議論が深まることが予想されます。
コロンビア大学との比較
コロンビア大学は、トランプ政権からの助成金打ち切りを受け、抗議活動の規則厳格化要求について交渉に応じる姿勢を示しました。しかし、ハーバード大学は強硬な姿勢を崩していません。
抗議活動に関する資料イメージ
この2つの大学の対応の違いは、今後の大学と政治の関係性を考える上で重要なポイントとなるでしょう。大学は、社会の進歩に貢献するために、自由な研究と教育を保障されるべきです。
