【香港=藤本欣也】香港高裁は18日、デモ参加者に覆面の着用を禁じた「覆面禁止法」について、「合理的な必要性を超えて基本的な権利を制限している」として、香港の憲法に当たる香港基本法に違反するとの判断を下した。これを受け香港警察は同日、「覆面禁止法」の執行を一時的に停止した。ただ、基本法の最終解釈権をもつ中国当局が反発するのは必至だ。
反政府活動が続く香港では17日から18日にかけて、九竜地区にある香港理工大とその周辺でデモ隊と警官隊が激しく衝突した。多数の負傷者が出ているもようだ。
香港では、香港中文大に立てこもっていた若者らが16日未明までに同大を撤収した後、香港理工大が抗議活動の主戦場となっていた。
17日から本格化した攻防戦では、催涙弾を撃ち込む警官隊に対し、若者らは火炎瓶を投げたり、弓で矢を放ったりして抵抗。ふくらはぎに矢が刺さった警官が病院に収容された。
警官隊は放水車のほか、音波を投射してダメージを与える音響兵器も投入。若者らは手製の投石機などを使って抵抗を続けた。
17日夜には警察車両が火炎瓶を受けて炎上、陸橋も炎に包まれるなど大学周辺は騒然とした。
警察は「火炎瓶など全ての攻撃をやめなければ実弾の発砲も辞さない」と若者らに異例の“最後通告”を行ったが、若者らは放水車などに火炎瓶を投げ続けた。
若者らは、理工大付近にある九竜半島と香港島を結ぶ海底トンネルの出入り口を封鎖、車両が通行できない状態が続いている。
香港の全ての幼稚園や小中高校は18、19両日も休校措置が取られた。