地震の際、犬や猫などペットの行動が変化することはよく知られていますが、大きな動物たちは一体どのように反応するのでしょうか?今回は、カリフォルニアで発生した地震をきっかけに話題になった、ゾウの驚くべき行動「アラート・サークル」について掘り下げていきます。
カリフォルニア地震で捉えられたゾウの「アラート・サークル」
2025年4月14日、アメリカ・カリフォルニア州でマグニチュード5.2の地震が発生しました。幸い大きな被害はありませんでしたが、この地震によって動物園のゾウたちがとった行動が注目を集めました。
カリフォルニアの動物園で地震発生時に円陣を組むゾウたち
地震の揺れを感じた5頭のゾウは、子供2頭を守るように円陣を形成しました。外敵から群れを守る行動として知られる「アラート・サークル」ですが、地震発生時に確認されるのは非常に珍しいケースです。この行動は、ゾウの知性と子供を守る強い本能を示すものと言えるでしょう。
「アラート・サークル」は日本でも観測されていた!
実はこの「アラート・サークル」、日本でも観測されたことがあるのです。2011年の東日本大震災の時、千葉県市原市の「市原ぞうの国」で同様の行動が見られました。
市原ぞうの国の副園長、佐々木氏によると、子ゾウはパニックに陥りやすく、命の危険にさらされる可能性があるため、「ここにいて!私たちが守るから!」という親ゾウの意思表示ではないかと推測されています。雷などの際にも子ゾウは親ゾウのそばに寄りますが、円陣を組む行動は地震発生時特有の珍しい現象とのことです。
ゾウの生態から紐解く「アラート・サークル」の謎
ゾウは高度な社会性を持つ動物として知られています。群れの中で協力し、子供を大切に育てる習性があります。「アラート・サークル」は、この社会性と保護本能の表れと言えるでしょう。
専門家の中には、「アラート・サークル」は地震の揺れによる不安を軽減するための行動であるという見解もあります。円陣を組むことで、仲間との一体感を感じ、安心感を得ている可能性があるのです。
地震発生時の動物の行動に学ぶ防災意識
地震発生時の動物の行動は、私たち人間にとっても防災のヒントを与えてくれます。ゾウのように、大切な家族を守るための行動を事前に考えておくことが重要です。
家族で避難場所や連絡方法を確認しておく、防災グッズを準備しておくなど、日ごろからの備えが、いざという時に大きな助けとなります。
市原ぞうの国のゾウ
動物たちの行動から学ぶことは多くあります。今回の「アラート・サークル」のように、自然災害発生時の動物の行動を観察することで、防災意識を高め、より安全な生活を送るためのヒントを得ることができるかもしれません。