【パリ=三井美奈】ローマ法王フランシスコは18日、23日の訪日を前にビデオでメッセージを発表した。「核兵器の破壊力が人類の歴史に二度と解き放たれることがないよう、皆さまとともに祈ります」と述べ、被爆地から核兵器の廃絶を訴える意向を示した。
法王は24日に長崎、広島を訪れる予定。メッセージで法王は、「日本は戦争によって引き起こされた苦しみへの自覚を持つ国です」と呼びかけ、「核兵器の使用は倫理に反します。対話の文化、兄弟愛が、特に多様な宗教文化間において、いかに大切であるか、皆さまはご存じです」と述べ、日本から平和を訴える意義を強調した。
また、「桜の花に象徴される日本の文化のすばらしさ」に言及し、訪日は「すべてのいのちを守ることを推進、強化したいとの共通の思いを表す機会になる」と意気込みを語った。
法王は26日まで滞在の予定。25日には東日本大震災の被災者との集い、天皇陛下との会見、安倍晋三首相との会談が予定されている。