日米両政府は、トランプ米政権による高関税政策を巡り、2回目の閣僚級協議をワシントンD.C.で行いました。焦点となっている自動車・自動車部品への追加関税について、米側は日本への適用除外に難色を示し、協議は難航しています。
米国、日本への適用除外に難色
日本政府関係者によると、米国は自動車への追加関税のみならず、多くの国・地域に課している一律10%の相互関税についても、協議対象外とする意向を示しました。これは事実上、日本を特別扱いすることに難色を示した形となり、日本側は受け入れられない姿勢を示しています。
赤沢経済再生相、記者会見の様子
日本の赤沢亮正経済再生担当相は協議後、6月のG7サミットでの日米首脳間合意に期待感を示しました。しかし、米政権は主要自動車部品への25%の追加関税発動を決定しており、日本経済への影響は避けられない状況です。自動車・自動車部品は日本の対米輸出額の3割を超えており、関税引き上げは国内の関連産業に大きな打撃を与えると懸念されています。
集中的な協議で打開策模索
日米両政府は5月中旬以降、閣僚級会合を集中的に実施することで合意しました。G7サミットを目前に控え、打開策を見出すことができるかが焦点となります。
赤沢経済再生相とベセント米財務長官の握手
石破茂首相は、「建設的な議論だった」としながらも、「一致点を見いだせていない」と現状を説明。今後の協議の行方が注目されます。国際経済アナリストの山田一郎氏(仮名)は、「米国の保護主義的な政策は、世界経済に悪影響を及ぼす可能性がある。日本は、多国間主義に基づいた自由貿易体制の維持に向けて、米国との協議を粘り強く続ける必要がある」と指摘しています。
赤沢経済再生相とベセント米財務長官
今回の協議では、具体的な進展は見られませんでしたが、今後の交渉に向けた土台作りとしては一定の成果があったと言えるでしょう。日本としては、G7サミットでの首脳会談で、少しでも有利な条件を引き出せるよう、戦略的な交渉が求められます。