石破茂首相(68)の元側近で、政治団体「石破茂政経懇話会」の代表も一時期務めた下根正宏氏(66=下の名前は仮名)が「 週刊文春 」の単独取材に応じた。下根氏は、長年にわたって石破首相側に現金を渡し続けたと証言。「私は闇献金をしてきました」などと述べた。
パーティ券に陣中見舞い…約10年間で3000万円の献金
下根氏は、石破首相が 2008年に自民党総裁選に初出馬した際、随行係を務めたという人物。石破首相と同じ鳥取県出身で実業家の父・下根弘氏(91)と共に、2010年代まで石破首相を支援してきた。
下根正宏氏によると、2003〜2014年ごろまでの約10年間、石破氏の2万円の政治資金パーティー券を「100枚単位で毎年、購入していた」という。多い年は300枚ほど購入。代金数百万円を封筒に入れて現金で秘書らに支払い、金額が空欄の領収書の束を受け取っていた、としている。
また別途、「陣中見舞いなどとして、現金100万円を5回渡した」とも証言。約10年間でパーティー券購入とあわせて石破首相側に支払った総額は「少なくとも 3000万円は優に超える」と述べている。
当該時期の政治資金収支報告書に記載なし
一方、「週刊文春」は前出「政経懇話会」など石破氏に絡む主な政治団体について、当該時期の政治資金収支報告書を確認したが、下根氏の氏名や、経営していた社名は記載されていなかった。政治資金規正法では20万円を超えるパーティー券購入者を記載するよう定めており、当時、同法違反の「不記載」となっていた疑いがある。
石破事務所に質問すると、「政治資金については、法令に従い、適正に処理し、その収支を報告しているところです」と回答した。
7日12時配信の「 週刊文春 電子版 」および8日発売の「週刊文春」では、下根氏による詳細な「闇献金」証言を掲載。裁判資料や、石破氏が下根氏らとうつった複数の写真もあわせて掲載している。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年5月15日号