オーストラリア調査で意外な落とし穴
ガソリン代の節約を目的に、高価なハイブリッド車(HV)を購入する人が増えている。しかし、事はそう単純ではない。現実的な走行条件でのテストでは、すべてのHVが期待通りの燃費を達成するわけではない。
【画像】「えぇぇぇぇ!」 これが日産自動車の「平均年収」です! 画像で見る(計11枚)
実際、オーストラリアでの調査によると、一部の車種では走行方法によって、
「ガソリン車よりも燃費が悪化する」
ことがわかっている。高価なHVを選んだにもかかわらず、燃費が悪いとなると、購入の目的が達成されないことになる。
オーストラリア自動車協会(AAA)のリアルワールドテストプログラムでは、オーストラリア国内の市街地、郊外、高速道路などの実際の走行条件で、八つの人気車種のHVと内燃機関車(ICE)を比較テストした。その結果、HV車の燃費には
「車種ごとに大きな差がある」
ことが明らかになった。
トヨタHEV、ガソリン車より50%削減
テストに使用された8台のHVは、6台のハイブリッドEV(HEV)と2台のマイルドハイブリッドEV(MHEV)で、以下の車種が含まれている。
・トヨタ・RAV4(HEV)
・トヨタ・カローラ(HEV)
・トヨタ・カムリ(HEV)
・トヨタ・クルーガー(HEV)
・GEM(中国長城汽車)・ジョリオン(HEV)
・ホンダ・CR-V(HEV)
・スバル・フォレスター(MHEV)
・スズキ・スイフト(MHEV)
HEVは従来型のHVで、エンジンとモーターを切り替えて走行する。一方、MHEVはモーターのみでは走行せず、エンジンを補助する形で燃費向上を目指している。
テスト結果では、トヨタのHEV4台(RAV4、カローラ、カムリ、クルーガー)は、同モデルのガソリン車と比較して優れた燃費性能を示した。市街地走行では、HEVカムリがICEカムリに対し50.2%の燃費削減を達成し、HEVカローラ(49.4%)、HEVクルーガー(44.4%)、RAV4(38.5%)も良好な結果となった。
ホンダ・CR-V(HEV)とスズキ・スイフト(MHEV)は、それぞれICEモデルに比べて24%と18%の燃料消費削減を実現した。
一方、GWM・ジョリオン(HEV)は、同ICEモデルと比較して16.5%の燃費削減にとどまり、実験室テストで観測された38%の削減率には届かなかった。ジョリオン(HEV)はICEモデルより約7000ドル(約100万円)高価であることも考慮すべき点である。