日本流の「起承転結」のある文章が、英語圏では“論点がずれている”と評価されてしまう言語的背景


【図で見る】文化圏ごとに異なる5つの「言語の理論構造」

 アメリカの言語学者であり、異文化間の文章表現や修辞学の研究で知られるロバート・カプランの文章構造の違いに関する理論は、文化ごとに異なる文章の特徴を明らかにし、異文化間のコミュニケーションにおける新たな視点を提供しました。

 本稿では、カプランが提唱した5つの主要なパターンを詳しく見ながら、それぞれの文化が文章を通じてどのように自らを表現しているのかを探っていきます。

直線的(Linear)
 英語圏の文章では、論理が明確で直線的に展開されます。導入、主張、サポート、結論という順序が基本であり、読者が簡単に著者の意図を理解できるように構成されています。

螺旋的(Spiral)
 アジアのいくつかの文化(特に日本語、中国語)では、意図が間接的に徐々に明らかになるように進行します。重要なポイントが暗示的に提示されることも多くあります。

逸脱的(Digressive)
 ラテン語圏の文化(スペイン語、フランス語など)では、主題からの逸脱が頻繁に見られ、主題と副主題が混在する形で議論が進行します。



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