AIが撃退、特殊詐欺 通話解析/声認証/画像検知



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 人工知能(AI)が電話の音声やATM(現金自動預払機)で入金する際の様子を解析し、振り込め詐欺かどうかを判定してくれる-。そんな新技術がまもなく実用化される。だましの手口が巧妙化する中で心強い防犯ツールとなりそうだが、どのような技術なのだろうか。(玉崎栄次)

◆すぐに警告!

 「俺だよ、俺」

 「一郎かい?」

 「そうだよ。事故を起こしちゃって、500万円必要なんだ。銀行口座に振り込んでもらえないかな」

 「えー、大丈夫なの!?」

 息子を名乗る男から電話を受けた高齢の女性はパニックに陥った。通話開始から約2分後、女性の家族の携帯電話が鳴った。

 「犯罪の疑いがあります。ご家族に連絡を取るなど、ご確認ください」

 自動音声に促され、家族は女性に振り込まないよう連絡した-。

 これは、NTTが開発を進めるAIを活用した防犯技術のデモンストレーションの様子だ。

 使い方は簡単で、利用者は固定電話に専用の機器を接続しておくだけ。着信と同時に自動的に通話内容が外部サーバーへと送信される。そこで文字に変換された通話内容をAIがリアルタイムで解析し、詐欺と判定すれば、利用者の家族に電話とメールで警告する。

 NTTは警察と連携し、犯行に使われる頻度の高い「銀行口座」「振り込み」など数百のキーワードをAIに登録。会話の中でどのように使われているかなどを総合的に分析する。「時間とともに蓄積が増え、さまざまな手口に対応できるようになる」とNTT東日本ビジネス開発本部の丸山智宏課長は説明する。8月から東京都内の5自治体の計120世帯で実証実験を始めており、来秋の実用化を目指す。

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