毎日の通勤は大変ですよね。特に都市部のラッシュ時はつり革を掴むのさえ難しいほどギュウギュウのことも多く、朝は職場に着くころにはぐったり、帰宅時も仕事で疲れているところに通勤の負担がのしかかり家についたらクタクタ……という人も少なくないのではないでしょうか。
そんななかで「職場近くに住めば通勤がラクになるのに」と思うのはごく自然なことです。とはいえこれまで実家暮らしだった人が一人暮らしを始めるとなると、今の給料でやっていけるかどうかが気になります。とくに新宿の職場近くとなると家賃が気になるところです。
そこで本記事では、新宿付近での一人暮らしにかかる費用をシミュレーションしてみます。
年収300万円の人の手取り額は月額約20万6000円
最初に確認しておきたいのは、実際に使えるお金、つまり「手取り額」です。年収300万円の場合、ボーナスを考慮せずに12ヶ月で割ると毎月の給与は25万円です。住民税や所得税、社会保険料などを差し引いた手取りはおおよそ20万6000円になります。
このなかから家賃や食費、光熱費など、全ての生活費をまかなっていく必要があります。毎月入ってくる収入の範囲でやりくりするには、まず固定費を見直し、変動費の管理にも気を配ることが大切です。
とくに一人暮らしでは「家賃」「食費」「光熱費」が大きな支出項目となるため、それぞれにどのくらいの金額をあてられるか、あらかじめ目安を立てておくと安心です。日用品や交際費、医療費なども意外と出費がかさむため、月々の支出のバランスを見ながら調整していく必要があるでしょう。
一人暮らしに必要な生活費は平均約14万6000円。ただし家賃は別途
総務省統計局が実施した家計調査報告によると、2024年の単身世帯の消費支出は、住居費を除くと約14万6000円です。
図表1
総務省統計局 家計調査報告 消費支出の費目別対前年実質増減率(単身世帯)より筆者作成
月の手取り約20万6000円から生活費約14万6000円を引くと、残りは約6万円です。
ところが、新宿区内でワンルームを借りるとなると平均家賃は11万円になります。これではとうてい新宿区内で一人暮らしはできません。ただし築年数が古い物件や駅から10分ほど歩く物件、風呂・トイレ共有の物件のなかには家賃が3~4万円台のものもあるようです。
少し範囲を広げて、新宿まで30分以内のエリアを探してみるのもいいでしょう。例えば新宿から山手線で10分弱の池袋には、駅から徒歩15分以内で築10年以内の風呂・トイレ別、エアコン付きの物件が5~6万円台でいくつか見つかります。バス・トイレは別でなくてもいいなど条件を緩めれば選択肢は広がるでしょう。
このように、家賃の相場は立地や建物の条件によって大きく異なります。「どの条件を優先するか」を考えることで、無理のない範囲で物件選びができるかもしれません。多少の妥協が必要になるかもしれませんが、選択肢を広げることで現実的なラインが見えてくるでしょう。