いま、茨城県那珂(なか)市で進む、総事業費30億円の『道の駅』新設計画について、一部市民から反対の声が上がっています。地域活性化が期待できるはずの道の駅建設に、なぜ反対しているのか? 一般社団法人「道の駅経営パートナーズ」金山宏樹氏の解説です。
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■茨城県那珂市で『道の駅』建設に賛否の声「建物を作る前に、まずブランド品を作るべき」
人口約5万3000人の自然豊かな田園風景が広がる茨城県那珂市。市は、那珂インターチェンジに近い約4.3ヘクタール、東京ドーム約1個分の面積に『道の駅』の建設を計画しています。経営は市と民間業者が合同で行う、いわゆる第三セクターです。
農産物直売所や物産展、フードコートなどを展開し、2028年の開業を予定していて、その総事業費は約30億円。そのうち、国からの補助などを除いた9億6000万円が市の負担分だといいます。
(那珂市民)
「こんな金額を、那珂市のほうで使っていいのか、もっと違うところに予算を回せるものがあるんじゃないか。今のところは、すぐ賛成とは言えない」
(那珂市民)
「近隣の道の駅、常陸太田市や常陸大宮もありますし、いまさら作ったところで、どうやったら95万人、年間で来る試算なのかというところも不透明ですね」
那珂市に隣接する常陸大宮市の道の駅は、年間約110万人が利用し、この5年の平均利益は、約998万円だといいます。
一方、隣接する道路の交通量から那珂市が試算した年間の利用者は、約95万人で、利益は7000万円を見込んでいるとのことです。
(那珂市民)
「(近くの)那珂インターから出入りする車、そんなにないと思います。だから、お客さんは本当に限られた人しかいないと思います。採算は取れないんじゃないかな」
市の計画に不満を口にする市民がいる一方で、こんな声も…。
(那珂市民)
「賛成ですね。道の駅大好きなので、野菜が安ければ、それに越したことはないんですけどね」
(那珂市民)
「農業振興・商業振興など、振興をするという意味においては、これは賛成しなきゃならない。作るためにどうするべきというのが、俺は大事だと思う」