(CNN) カタールからトランプ米大統領に贈呈される豪華ジェット機をエアフォースワン(大統領専用機)の代替機に改修するには数億ドル規模の費用がかかり、安全運用に必要な保安設備や通信・防御能力の搭載には最長2年を要する可能性がある。現旧の当局者がCNNに明らかにした。
共和党のテッド・クルーズ上院議員は13日、同機について「スパイ活動や監視の面で重大な問題をはらむ」と指摘。民主党でも、上院軍事委員会の有力メンバーであるジャック・リード議員が、受領すれば「外国に機密システムや通信へのアクセスを潜在的に許すことになり、大きな防諜(ぼうちょう)上のリスク」が生じると警告した。
トランプ氏は11日、SNSへの投稿で、国防総省は「(ボーイング)747型機を無償贈呈される。40年前のエアフォースワンを一時的に置き換えるものになる」と強調した。機体が高価なことから倫理面の様々な疑念が噴出する一方、大統領が緊急時の統治継続に使用する可能性があるエアフォースワンの安全性についても深刻な疑問が生じそうだ。
同機を巡っては4億ドル(約590億円)相当との試算があるが、計画の詳細に詳しい関係者によると、実際の価値はおよそ2億5000万ドルだという。この関係者が知らされた政権内の見積もりでは、全面改修の費用はその3倍、場合によってはそれ以上に上る可能性がある。
トランプ氏が言うように一時使用にとどめるとしても、米政府機関は機体をフレームまで解体し、必要な通信・保安装備を搭載して再建造することで、保安上の脆弱(ぜいじゃく)性が皆無であることを保証しなければならない。
エアフォースワンに詳しい退役した米軍幹部はCNNの取材に、「機体を徹底的に検査し、分解して盗聴器がないか調べ、電子機器が乗っ取られないように堅牢(けんろう)化したい考えだろう。最悪の日々に大統領が軍を指揮統制できる能力を確保するには、膨大な作業が必要になる」と指摘した。
退役米軍幹部によると、このプロセスには数カ月から2年の時間がかかる可能性がある。事情に詳しい別の当局者は、ホワイトハウスは必要となる作業量を完全には把握していないと懸念を示した。
カタール機の改修費は、長年遅れが続くエアフォースワンの更新計画で既に支出された額を超えない見込みだが、トランプ氏はカタール機の受領はあくまで「暫定措置」だと明言している。
CNNは先週、空軍幹部の話として、ボーイングの機体は2027年までに引き渡され、トランプ氏の任期中に使用できるようになる可能性があると報じていた。