無料給食後に吐き気、食中毒症状1千人以上 大統領の肝いり政策波紋


【写真】大統領が進める「無償給食プログラム」で提供された給食

 午前7時前、ジャワ島西部のブカシにある高校に約600人分の給食を載せた車が入ってきた。校庭のブルーシートの上で生徒が一斉に食べる。日本のような昼食ではなく、朝食として給食が位置づけられており、高校1年の女子生徒は「毎朝学校でご飯を食べられてとてもうれしい」と笑顔を見せる。

 世界第4位の人口約2億8千万人を抱えるインドネシアは、年約5%の経済成長率を続けるが、国内の経済格差は依然として大きい。そうしたなか、プラボウォ氏が昨年の大統領選で公約として掲げたのがMBGだ。幼稚園から高校に通う生徒や妊婦ら約8千万人に栄養バランスの取れた食事を届ける内容で、今年1月から段階的に始まった。MBGは広く支持され、同月のプラボウォ氏の支持率は約80%に上った。

 ところが、開始早々、食中毒の症状を訴える人が続出。地元メディアによると、最初に食中毒の症状が明らかになったのはMBGが始まって約1週間後の1月13日。30人以上の学生が吐き気や下痢を訴えた。

 その後も、同様の症状を訴える人が続出し、4月末までに報じられているだけで計約1千人に上り、5月以降もジャカルタ近郊ボゴールで1日に100人以上が食中毒の症状を訴え、約220人が入院や通院を余儀なくされた。水やたまご、野菜といった材料からサルモネラ菌などが検出されたという。

朝日新聞社



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