愛媛県新居浜市認可の「新居浜上部のぞみ保育園」で、当時、生後8か月の田村康至ちゃん(2)が給食のリンゴを喉に詰まらせて意識不明になった事故から16日で丸2年となる。母の早希さん、父の敦さんが、読売新聞に手記を寄せた。
母・早希さんの手記
◇康至の様子
康至は事故後、身長は約15センチ伸び、体重は約2倍になり、しっかり成長しています。退院してからの約1年半、大きな急変もなく、落ち着いて家で過ごせています。リハビリの成果もあり、体の緊張は和らいできているように思います。
夫と私が交代で24時間のケアをしています。2時間に1度の痰(たん)吸引のほか、健康維持や身体機能向上を目的に入院時から取り組んでいるリハビリは、週3回の訪問リハビリに加え、外来リハビリにも週2回通うようになりました。その合間に週3回の入浴、週1回の往診と訪問歯科、月1回の病院受診と予定が入っています。
毎週、毎月のルーチンが決まり、生活にも慣れてきました。日曜日は家族でゆっくり過ごす日にしています。お正月休みには、初詣やイルミネーション見物に行きました。最近は受診ついでに外食をしたり、お花見をしたりして、お出かけにも慣れてきました。
◇今後について
康至の容体が少しでも良くなるように、出来ることは全てしてあげたい。夫、長男との4人家族でやりたいことをしていきたいという思いも、以前から変わりません。
しかし、外出時間が長くなればなるほど、準備する持ち物の多さや、呼吸器の電源確保の面で大変です。
もうすぐ介護車両ができるので、夏は水上スポーツのSUP(サップ)をしに川や海に出かけたり、キャンプをしたり、冬はスノーボードをしに雪山に出かけたりと、事故前のように、四季を楽しみながら過ごしたいです。家族みんなでテーマパークに行き、思いっきり遊ぶことも目標です。
◇今の思い
康至と同じ年頃の子を見たり、男の子の兄弟が騒いでいるのを見かけたりすると、「きっと康至もこんなふうに、元気に過ごしていたのかな」とほほえましい気持ちになると同時に、寂しさもこみ上げます。それでも、変わらない現実と向き合い、進んでいくしかありません。