東京・鶯谷にある昭和44年開業の老舗ダンスホール「新世紀」。普段は社交ダンス好きが食事やダンスを楽しむ社交場だが、5月5日に集まった300人もの客が踊ったのはゴーゴーダンスだった。
【写真17枚】“美太もも”がまぶしい…全盛期と変わらぬ姿で歌って踊る「山本リンダ」74歳
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主催者は28歳
この日は日本記念日協会認定の「ゴーゴーダンスの日」。その記念日イベント「トウキョウ・ア・ゴーゴー」が開催され、レトロなファッションで着飾った20代からゴーゴー世代である70代までの男女が来場。DJが流す昭和歌謡やゲスト歌手の歌に合わせて踊ったのだ。
イベントを主催した「踊るミエ」さん(28)はその趣旨をこう話す。
「私自身がゴーゴーダンスの魅力に取りつかれてしまった。ぜひ若い人に普及させたい、と始めたイベントで、今年が3回目の開催です」
「まだまだ歌って踊り続けたい」
イベント中盤、それまで思い思いに踊りを楽しんでいた客の動きが止まった瞬間があった。ステージに往年のスター・山本リンダ(74)が登場すると、誰もが踊りを忘れて歓声を送り、デビュー曲「こまっちゃうナ」に聞き入ったのだ。
客のノリが変わったのは大ヒット曲「どうにもとまらない」を昔どおりの振り付けで歌い始めた時。コンサート会場のように盛り上がり、「♪ウララ、ウララ〜」の「狙いうち」が始まると客席も大合唱となった。
それにしても歌も踊りも往時のまま、惜しげもなく披露した美脚も全盛時代と変わらない。この秋にデビュー60周年を迎える大御所とは思えないパワフルさなのだ。
「昔の歌を歌うと、タイムマシンで当時に戻った気持ちになれるのよ。大人になった年相応の自分も好きだけど、元気に踊る自分も好き。今の若者は昭和歌謡を新しいものと感じているみたいだから、まだまだ歌って踊り続けたいわ」
と、元気いっぱいだった。
撮影・福田正紀
「週刊新潮」2025年5月15日号 掲載
新潮社