草なぎ剛主演ドラマ『終幕のロンド』、韓国大ヒット作との“酷似”が波紋を呼ぶ詳細と評価

フジテレビ系でスタートした草なぎ剛(51)主演の秋ドラマ「終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-」(月曜午後10時)が、放送開始と同時に大きな注目を集めています。本作は、遺品整理人が故人や遺族の心に寄り添い、残されたメッセージを解き明かす物語で、関西テレビが制作を担当。草なぎが民放の連続ドラマで主演を務めるのは2年半ぶりとあって期待が高まる一方で、業界内からはある韓国の大ヒットドラマとの“驚くべき酷似点”を指摘する声が上がっており、波紋を広げています。

草なぎ剛、フジテレビ系主演ドラマ「終幕のロンド」制作発表時の様子。遺品整理人役で注目を集める。草なぎ剛、フジテレビ系主演ドラマ「終幕のロンド」制作発表時の様子。遺品整理人役で注目を集める。

「終幕のロンド」と「ムーブ・トゥ・ヘブン」:指摘される類似点の詳細

テレビ誌編集者によると、問題視されているのは2021年にNetflixで配信され世界中で高い評価を得た韓国ドラマ『ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です』との類似性です。両作品の物語設定には、驚くほど多くの共通点が見られます。

まず、主人公の職業が「遺品整理人」である点が完全に一致しています。『ムーブ・トゥ・ヘブン』の遺品整理会社が「Move to Heaven」という名称であるのに対し、『終幕のロンド』では「Heaven’s Messenger」と、そのコンセプトも極めて似通っています。さらに、草なぎ演じる主人公・鳥飼が“妻を亡くしたシングルファーザー”という設定である一方、『ムーブ・トゥ・ヘブン』では主人公の父親が同じ境遇で描かれています。

初回と第2回で放送された『終幕のロンド』の具体的な筋書きも指摘の対象となっています。残された預金通帳から故人の隠されたメッセージを鳥飼が解き明かすという展開は、『ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です』で既に描かれたエピソードと酷似しているとされます。唯一の大きな相違点として挙げられるのは、登場人物の特性設定です。『ムーブ・トゥ・ヘブン』の主人公がアスペルガー症候群であるのに対し、『終幕のロンド』では新人女性社員の久米ゆずはが自閉症気味で嗅覚障害を持つという設定になっています。これらの類似点が、単なる偶然では片付けられないほどのレベルであると見られています。

草なぎ剛ドラマの軌跡と「終幕のロンド」の視聴率動向

草なぎ剛が主演したフジテレビのドラマといえば、社会現象にもなった「僕シリーズ」(『僕の生きる道』、『僕と彼女と彼女の生きる道』、『僕の歩く道』)と、後に続く「戦争シリーズ」(『銭の戦争』、『嘘の戦争』、『罠の戦争』)が有名です。「僕シリーズ」は最終回視聴率が20%を超える大ヒットを記録しましたが、「戦争シリーズ」は次第に視聴率を落とす傾向が見られました。

今回放送中の『終幕のロンド』の初回平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は世帯5.9%、個人3.1%という結果でした。そして第2話では世帯5.3%、個人2.8%へとさらに下落し、視聴率面では苦戦を強いられています。草なぎ演じる遺品整理人の優しさや誠実な姿勢は視聴者から「癒やされる」と評価されているものの、物語の途中から「御厨ホールディングス」という会社の陰謀劇のような展開が加わり、ストーリーが複雑化したことが、視聴率低迷の一因ではないかとの見方も出ています。

結論:今後の展開と視聴者の期待

「終幕のロンド」は、草なぎ剛の演技力と遺品整理というテーマの深さで視聴者の心を掴む要素を持っています。しかし、韓国の大ヒットドラマとの類似性への指摘や、序盤での視聴率の下落、そしてストーリーの複雑化が今後の展開にどう影響するかが注目されます。視聴者が期待するのは、心温まるヒューマンドラマとしての側面と、オリジナリティあふれる物語の深化です。制作陣がこれらの課題にどう向き合い、独自の魅力を確立していくのか、今後の展開から目が離せません。

参考文献: