「歌うアイスクリーム屋」として知られる「コールド・ストーン・クリーマリー」が、国内で1店舗のみになった。原宿店と佐野プレミアム・アウトレット店、三井アウトレットパーク ジャズドリーム長島店の3店舗を展開していたのだが、4月28日に原宿店が、5月6日に佐野プレミアム・アウトレット店が閉店したのだ。
【画像】閉店発表後に大行列に!今はもうない「コールド・ストーン」原宿店
2005年に上陸したコールド・ストーンはその独特な提供スタイルが評判となり、最盛期は34店舗まで店舗を増やす。しかし、流行は長くは続かなかった。徐々に衰退しながら店舗を減らし、とうとう1店舗のみとなってしまった。
なぜ、コールド・ストーンは定着しなかったのか。これには色々な理由があるだろうが、これを考えていくと「日本人とチェーン店の関係性」が見えてくる。
■歌のパフォーマンスが客足を遠ざけた?
コールド・ストーンの苦境が語られるとき、度々話題に上がるのが、名物ともいえる「歌う」パフォーマンス。
同店ではアイスクリームを作る際、店員さんが50種類以上あるともいわれる歌を歌ってくれる。ミュージカルの世界に突然投げ込まれたかのような演出が、どこか日本に住む人の気質に合わなかったのでは……というのだ。
大雑把に「日本人」とくくるのもいかがなものかとは思うが、とはいえ私自身の経験を踏まえても、それは一理あると思う。
4月27日、私は翌日に閉店する原宿店に訪れてみた。明治通りから一本裏手に入ったところに原宿店はひっそりとたたずむ。1週間前の土曜日に店舗に行っていた知人の話では、1時間以上待ったとのことだったので、閉店が近いその日ならもっと混んでいるのでは……? と思っていた。しかし、意外にも店の前で並んでいるのは2組ほど。
用意周到に開店直後に訪れたから、計画成功か……と思った瞬間、驚いた。なんと、店舗の前にある道を挟んで、後ろまで延々と列が続いているのだ。長さにして50m以上はあるだろうか。もはやコールド・ストーンに並んでいるのかもわからないぐらい、遥か遠くまで人が連なっている。
並ぶ人を見ると家族連れやカップルが多いが、閉店の噂を聞きつけたのだろうか、中高年の夫婦や男性同士のグループなど、老若男女が並んでいた。