「史上最大規模の強制送還」をかかげ、不法移民への取り締まりを強化する米トランプ政権。そんななか、トランプ政権1期目で強制送還された家族が話題を呼んでいる。
投稿したのは、米国籍のキャンディス=ガルシア・サンチェスさん(36)。夫のフィデルさんが強制送還される際、家族でメキシコに移り住んだ。
現在は同国プエブラで、ディエゴくん(15)、ドミニクくん(5)、デーモンくん(生後5カ月)の3人を育てている。
キャンディスさんは動画で、マイホームを立てる様子を公開した。デーモンくんと一緒に工事を見守る中、夫フィデルさんらが黙々と作業。日没前まで工事をする様子が収められている。
動画は400万回近く再生され、「この家で多くの愛と思い出に囲まれることを祈っている」「すべてを捨てて未知の世界に放り出されるのが、いかに大変なことか。あなたたち家族に幸せな日々が訪れますように」といった応援の声が寄せられている。
一方、「アメリカは多くの優秀な人材を失った」「メキシコはいま、女性の大統領です。アメリカは遅れている」といった皮肉や「単純な疑問なんだけど、彼があなたの夫なら、なぜ強制送還されたの?結婚でアメリカの市民権を得られるのでは?」といった質問も上がった。
BuzzFeedは、キャンディスさんに話を聞いた。
キャンディスさんによれば、結婚したからといって、米国の市民権が自動的にもらえる保証はないという。夫フィデルさんは過去に一度、査証を通らずに、入国した過去がある。そのため市民権をめぐって、1年以上にわたり裁判で争ったそう。
キャンディスさんのYouTubeによれば、子どもたちとは一緒にアメリカに入国できるが、フィデルさんは入国できない状態だ。だが一定期間が過ぎれば、フィデルさんに再入国のチャンスはあるという。
■「私たちの経験が誰かの希望に…」
キャンディスさんがメキシコに移住して8年、強制送還の経験をSNSで発信し始めて5年になる。壮絶な体験を通して、多くのことを学んだと話す。
「メキシコという国を含め、さまざまなものに対する見方が変わった。以前は、メキシコについてニュースでしか知らなかったけど、それ以上のものでした」
「メキシコは美しくて、豊かな文化にあふれていて、今まで出会った中で最もすばらしい人々がいます」