たとえば一般企業で「あの件どうなった」と尋ねられているのにずっと答えない人がいたら? 当然だが職責を問われるだろう。ところが政治家の場合は公の場での説明を求められているのに長い間とぼけている人をよく見る。
政治資金パーティー券購入問題のその後
5月14日、裏金問題をめぐり下村博文氏がSNSで「事実を正直に誠実に申し述べたい」と投稿した。安倍派の元幹部だ。しかし自民は衆院予算委員会への参考人招致は不要だと反対した。何か言われたら困るのだろうか。
一方で下村氏も「事実を正直に誠実に」と言うなら文科相時の「加計学園からの政治資金パーティー券購入問題」についての説明はどうなったのだろう。
2017年に報道されたあと会見を開いて否定したが、「下村の釈明は矛盾や疑問が多く、まったく疑惑は晴れていない。おまけに会見以降、当人は関連取材にいっさい応えず、口をつぐんでいる」(森功「加計学園問題のキーマン、下村博文を追及せよ」2017年12月19日・文春オンライン)。
下村氏は当時の会見で「疑問の点があれば、都議選が終わったあとに丁寧にお答えします」と述べたものの説明していない。一体いつの都議選なのだ、もしかして今年か?
説明不足と言えば甘利明氏もいる。2016年に経済再生担当相を辞任するきっかけとなった現金授受問題に関してきちんと説明していないとずっと言われている。
さて、そんな下村&甘利と同類に思えるのが山尾志桜里氏だ。5月14日、国民民主党から夏の参院選の公認候補として発表されたが、山尾氏には前回の議員時代から公の場で説明していない案件がある。「議員パスの不適切使用問題」だ。
山尾議員は国会議員に与えられている公務用のJR無料パスを、人に会いに行く時や買い物などのプライベートでも公私混同で使用していた。議員パスの原資は税金であるからこれも「政治とカネ」問題と言っていい。くわしくは文春が報じた記事を読んでほしい。
「山尾志桜里議員 『議員パス』を使って“不倫報道”倉持弁護士と密会」(2021年4月28日・週刊文春)