資さんうどんが「東京でも通用した」のは、味の美味しさだけではない…全国進出に「失敗するうどんチェーン」「成功するチェーン」の決定的差


【画像】関東1号店が大繁盛の資さん。メニューや外観、内観はこんな感じ

 讃岐系・福岡系に続いて、チェーン店展開で全国区になれるご当地うどんを探し、各地を飛び回りながら検証してみよう。

■意外と多い ご当地料理の全国進出

 最近では関東1号店(千葉県・八千代店。130席)で「1日売り上げ200万円、来店客2000人」という、北九州市発祥「資さんうどん」の成功が記憶に新しい。

 うどん業界でいえば、「はなまるうどん」「丸亀製麺」は香川県のご当地料理「讃岐うどん」を源流に持ち、どちらも東京出店を足掛かりに、全国チェーン店に成長を遂げた。

 うどん以外なら、「資さん」とおなじ福岡県発祥の豚骨ラーメンは「一風堂」「一蘭」など複数の全国チェーンが存在する。讃岐うどんの強すぎるコシ、豚骨ラーメンの匂いといった問題点も、蓋を開けてみれば各地で抵抗なく受け入れられており、多種多彩なご当地うどんも、意外とすんなり受け入れられるかもしれない。

 讃岐うどん店の2社(丸亀製麺・はなまるうどん)が全国チェーン店化に成功した理由は「セルフうどん業態の普及」「長時間・夜営業への対応」にあった。

 もともと香川県内に多かったセルフ形態のうどん店は、来客が自らうどん・天ぷらを取ってくれるため、薄利多売なスタイルの飲食店としては効率が良かった。

 しかし香川県では、製麺所併設型・自宅併設型の店舗が、家族経営でうどんを格安提供しており、夜にうどん需要が激減するため、昼過ぎには店を閉めてしまう。営業時間が短い上に夜営業がないと売り上げも獲れず、競争してまでうどん業界で定着を目指す勢力など、生まれようもなかった。



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